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朝イチマーケットスクエア「アサザイ」

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10月25日の「アサザイ 今日の1社」は、明治電機工業(3388・東証プライム)を放送しました。

 

今回は、代表取締役社長 杉脇 弘基 様にお越しいただき、事業内容や事業環境、成長戦略等についてお話を伺いました。

 

井上哲男より取材後記が届いております。ぜひご覧ください。

 

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取材後記

明治電機工業(3388)(東証プライム市場)

ラジオNIKKEIにて収録

お相手は、代表取締役社長の 杉脇 弘基(すぎわき ひろき)様

 

「先取の気づき」

 

▼祖業から100年以上続くDNA

 前身の合資会社明治商会を設立されたのが大正9年(西暦1920年)であり、創業から100年を超える歴史を持ち、会社資料にも「日本のものづくりを支え続けて100年」とある。

 祖業は電気材料の販売とモーターの修理であったそうで、現在の同社の3つの事業である「商社事業」、「エンジニアリング事業」、「海外事業」の最初の2つの事業に、祖業から続くDNAを感じる。

 

 その3つの事業の詳細を記すと、まず「商社事業」は、あらゆる設備の自動化に必要となるプログラマブルコントローラーやセンサーなどの制御機器、製品開発に必要なデータ収集や解析等を行う計測機器、製品組立や搬送に必要となるロボット・メカトロ機器、工場の受配電設備から工場内照明設備などの産業機器、製品組込み用から製品試験用の電源機器、お客様の最先端技術が蓄積されたプリント基板実装工程を支える実装機器といった、ものづくりの現場のあらゆる課題に対応できる商材を豊富に取り揃えている。

 

 続いて「エンジニアリング事業」は、人の目の代わりに製品の判別や基準との差異を見極めるような画像処理装置、完成品の出来を顧客のオリジナルな品質基準に応じて判定を行う検査装置に関することから、その検査データや品質データを蓄積し、トレーサビリティ管理を可能とするソフトウェアまで提供するなど、製品品質全般をサポートする事業となっている。

 また、製品仕様に応じた自動組立を可能とする専用機械の設計製作、人の代わりに無人で製品搬送を可能とする無人搬送台車のシステムやロボットによる製品工程システムの構築なども手掛けるなど、顧客ごとに異なるモノづくりの課題にソリューションを提供している。

 

 そして、最後の「海外事業」であるが、同社の国内の拠点・ネットワークは、本社を愛知県名古屋市中村区に構え、北は仙台から南は福岡まで、14拠点で日本全国をカバーしているが、加えて、顧客のグローバルなものづくりをサポートするため、1987年にアメリカのイリノイ州、シカゴに子会社を設立し、その後、同じくアメリカのミシガン、テネシー、ケンタッキー州にも拠点を構え、ヨーロッパのイギリス、ハンガリー、アジアの中国、タイと活動の場を広げ、日系製造業の海外工場の立ち上げ、設備のメンテナンス、更新、拡張などのサポートに努めてきた。

 

▼「商社事業」と「エンジニアリング事業」の事業シナジーでサプライヤーを支える

 同社の強みは、この「商社事業」、「エンジニアリング事業」の2つの事業シナジーにある。

 現在、同社の従業員のうち、商社事業に300人、エンジニアリング事業に270人が従事しており、年間約1万件の現場実装を行っている。2つの事業の売上比率は、商社事業が約7割、エンジニア事業が約3割となっているが、商社事業をベースとしながら、エンジニアリング事業で他社との差別化を図っていることが全体の売上に繋がっている。結果、サプライヤー数は3,000社を超えており、豊富な商材と顧客ごとのオリジナルな各種検査装置、専用機械設備のハード、ソフトを含む開発・設計・製造を2つの事業のシナジー力で支えている。

 

 その顧客であるが、業種別売上高では、売上高の約46%が自動車関連産業の製造業であり、続いて工作・産業機械、電気・電子・半導体、卸売業の関連産業となっている。企業別では、自動車ではトヨタグループ向けの販売が中心となっているが、日産、スバル、本田などへも販売を行っており、他の業種についても、日本を代表する多くの一流製造業で顧客基盤を構築している。

 

▼「水素利活用社会の実現」に向けた歩みは着実に広がっている

 同社の強みに新たに加わったのが、水素利活用社会の実現を目指し、純水素型定置式燃料電池発電機の開発、製造や水素ステーションの建設も行っていること。

 同社は「水素利活用社会の実現」という単語をよく用いるが、一昨年から純水素型燃料電池発電機の開発に着手している。この燃料電池発電機は、トヨタ自動車様の水素燃料電池車であるMIRAIに搭載されている、FCスタックという装置をベースとしている。

 水素は、多様な資源から製造することができ、使用してもCO₂を排出しないことから、クリーンなエネルギーとして益々注目が集まっているが、この燃料電池発電機は既に川崎キングスカイフロント東急REIホテルへ昨年末に納入されており、同ホテルは全体の使用エネルギーの15%を水素で賄っていることから、「水素ホテル」として、CO₂削減に貢献している。

 また、昨年の8月に完成した同社新豊田支店においては、この燃料電池発電機と太陽光パネルを設置し、水素利活用のモデル事業所として活動している。さらに、今年度から北海道苫小牧市において、再エネ水素サプライチェーン構築に向けた実証事業に、この燃料電池発電機の設計・設置施工や水素出荷設備の設計・施工などを通じて参画するなど、同社の「水素利活用社会の実現」に向けた歩みは着実に広がりをみせている。

 

 100年を超える社歴をなぜ築くことができたのか。

 それは常に、「先取の気づき」があったからだと私は思う。製造業が次にいずれ必要となるコト、モノを正確に判断し、それに備える準備を怠らなかったということだ。同社の「水素利活用」に向けた現在の加速度的な動きは、まさに製造業がこれから進むベクトルを示している。

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取材後記は以上です。いかがでしたか。

本日の放送はPodcast配信にて早速アップされております。

それでは来週もお楽しみに!

 

(関連ウェブ)

■明治電機工業 IRサイト https://www.meijidenki.co.jp/ja/ir.html

 

代表取締役社長 杉脇 弘基 様と

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