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10月18日の「アサザイ 今日の1社」は、土木管理総合試験所(6171・東証プライム、1020日よりスタンダード市場へ移行)を放送しました。

 

今回は、代表取締役社長 下平 雄二 様にお越しいただき、事業内容や市場環境、成長戦略等についてお話を伺いました。

 

井上哲男より取材後記が届いております。ぜひご覧ください。

 

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取材後記

土木管理総合試験所(6171)(東証プライム市場、1020日よりスタンダード市場へ移行)

ラジオNIKKEIにて収録

お相手は、代表取締役社長の 下平 雄二(しもだいら ゆうじ)様

 

「待ったなしの課題に向けて」

 

▼「土質・地質調査試験」、「非破壊調査試験」、「環境調査試験」の3つの"試験"

 会社の設立が1985年。2015年8月に上場された東証の業種区分がサービス業の企業で、再来年に会社設立40周年を迎える。

 企業名に「試験所」とある通り、3つの"試験"を事業としており、その3つが「土質・地質調査試験」、「非破壊調査試験」、「環境調査試験」である。

 

 順に説明すると、「土質・地質調査試験」は、土木建設工事の土質・地質調査から、災害復旧時のインフラ整備及び防災・減災関連事業まで幅広く対応しており、前期の同社売上高に占める比率が59.9%と、約6割を占める主力事業である。

 また、「非破壊調査試験」とは、インフラに関わる様々なコンクリート構造物などの状態や劣化を調査するインフラメンテナンス調査のことで、前期の売上高に占める比率は26.4%であった。

 そして、「環境調査試験」は、近年の法改正により対応する分野が拡大しており、環境アセスから土壌汚染調査、アスベスト分析まで、それぞれのニーズに即した幅広い環境分野での試験を行っており、前期の全社ベース売上高に占める比率は13.6%となっている。

 このように、「土」、「コンクリート」、「環境」と、全く異なる試験領域をワンストップで対応できる企業は稀有であり、このことが同社の強みの1つとなっている。

 

▼高い技術力、分析力が異なる試験領域の「ワンストップ」での対応を可能に

 また、この「ワンストップ」での対応を可能としているのは、土質、コンクリート、メタル、環境の分析に対応できる日本最大級の試験センターを全国に4か所保有しているからであり、この高い技術力、分析力が同社の"屋台骨"であると言える。

 

 屋台骨がある以上、事業の幅広い展開には拠点網の構築が次のステップとなるが、同社は全国レベルでのニーズに応えるため、、現在、長野、東京の2本社、北は北海道から南は福岡までの12支店、6出張所の拠点体制を敷いており、そのほか、上記した日本最大級の試験センターである4つのパブリックラボに加え、昨年4月には北海道の苫小牧にジオロボティクス研究所を設置している。このジオロボティクス研究所は、ICTDXBIMCIM等が推進される中、最新技術を研究推進するための研究所が必要となり開設したものだ。

 また、海外展開においても、経済発展の目覚しいベトナムのハノイ市に支社である現地法人C.E.LAB INTERNATIONAL CO.,LTD C.Eラボ)を構えるとともに、採用活動もベトナムで強化しており、ベトナムをはじめとした海外人材が同社で活躍中だという。

 

 そんな同社の成長戦略のなかで、私が特徴的と考えたのが、業界では類をみない、"FC展開"である。

 全国を網羅する形で事業を展開することでマーケットシェアの拡大を図り、且つフィールド&サポートを充実させるためには、全国で同社ブランドの確立を図る必要があり、そのため、全国各地で、現地に密着し、地域一番店を目指すFC展開を行っており、現在11社(11店舗)が加盟しており、今後も計画的に展開し、2027年度には30店舗に拡大させたいという。

 これにより、地方の調査試験業務はFC店が担当し、同社社員は中心拠点に集中して新規事業や新技術の開発といった、より高度な業務にシフトし、さらなる事業の発展を進めるとともに、FC店からのフィードバックである全国のマーケット情報をビッグデータ化し、新商品の開発を行うといったシナジー効果も期待している。まさに、「垂直分業」、「水平分業」の仕組みづくりを方向性として明確に示しているのだ。

 

▼日本が向き合わなくてはならない課題・ニーズの解決に寄与

 市場環境は、3事業ともに明るい。

 「土質・地質調査試験」の市場環境は、大規模インフラが整いつつある一方で、異常気象等による災害が増加しており、近年はその災害に伴う復旧・復興、防災・減災事業が増加している。この状況を受けて、国の政策である「国土強靭化計画」は、2018年から2020年までの「防災・減災国土強靭化計画」から、新たに、2021年からの5か年について、「国土強靭化政策」が決定され、その総事業費も15兆円と大きなものとなっている。

 

 また、「非破壊調査試験」の事業環境は、2014年の法改正により、2m以上の橋梁、トンネルは5年に1度の定期点検が義務化された。点検が必要な橋梁は全国に約70万か所、トンネルは約1万か所といわれ、また、1万キロメートルの高速道路、6万6千キロメートルの国道も定期的な点検が必要であることから、この事業についてもそのニーズは拡大している。

 

 そして最後の「環境調査試験」を巡る環境であるが、健康被害に対する関心の高まりにより、近年は環境保護に起因する法整備も頻繁に施行されている。2010年4月には「土壌汚染対策法」が施行され、都道府県でも条例が施行された。また、翌年2021年4月より「改正大気汚染防止法」が段階的に施行されている。そのほかにも、「PCB特別措置法」が改正され、高濃度PCBについては、2023年から2024年までに処分が必要となった。

 

 これらは全て、日本が向き合わなくてはならない課題・ニーズであり、生活環境調査から土壌汚染調査・工事、環境に関する調査という同社の事業はまさしくその解決に寄与するものだということを示している。この"待ったなしの課題"に同社が果たさなくてはならない使命は重く、そしてその数は極めて多い。

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取材後記は以上です。いかがでしたか。

本日の放送はPodcast配信にて早速アップされております。

それでは来週もお楽しみに!

 

(関連ウェブ)

■土木管理総合試験所 IRサイト https://www.dksiken.co.jp/ir/

 

代表取締役社長 下平 雄二 様と

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