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藤島大の楕円球にみる夢

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ハンマー投げからジャパン、そして教員になる。
ラジオ「藤島大の楕円球にみる夢」は6月1日(月)放送

KM2_1131_6.jpg ラジオの魅力のひとつは想像力を掻き立ててくれるところだ。
 聞こえてくる声質。
 語られる生い立ちや歩んできた道。
 今回、ゲストのことを深く知らない人たちが放送を聞いたら、どんな姿を頭に思い描くだろう。
 183センチ、120キロのスペックを聞けば、妄想はさらに膨らむ。

 スポーツライターの藤島大さんがパーソナリティを務めるラグビー情報番組「藤島大の楕円球にみる夢」に、知念雄さんが出演する。リーグワン2025-26シーズンを最後に横浜キヤノンイーグルスを退団、競技生活を終えた。
 今後は流通経済大学付属柏中学校で教壇(保健体育)に立ち、高等学校でラグビー部のコーチを務める。

 沖縄のコザ出身の35歳。
 ハンマー投げで高校時代(那覇西高校)はインターハイで優勝、順天堂大学時代はインカレで2度優勝し、ベストの記録は66メートルという。
 大学4年時、「(陸上部の)オフの間のトレーニングにもなる」とラグビー部の活動に参加した。
「ボールを持ったらモモ上げしとけばいいから」と言われてその通りにしたら30メートルほど走れた。

 大学院生時代、同様の活動を続けている中で関東大学リーグ戦4部の試合に出ていたら、対戦相手の監督は元日本代表。その人に「キミは本格的にラグビーをやった方がいい。知り合いに伝えておくから」と言われる。
 それがきっかけで強豪・東芝ブレイブルーパス(当時)に入団。2015年度シーズンから正式に同チームの一員となり、その翌年には日本代表として国際試合でプレーした(2016年4月30日/アジアラグビーチャンピオンシップの韓国代表戦、85-0/沖縄出身者としての初キャップだった)。
 漫画のようなストーリーを地で生きた。

 ラグビーの濃い空気に、最初に触れたのがブレイブルーパスでよかった。大学院時代に練習に加わった時、どこの誰だか知らない若者にみんな練習着を貸してくれる。「廣瀬俊朗さんは、お風呂セットを。これ使っていいよ、と」。

 練習前や練習後に、先輩たちが気さくにいろんなことを話してくれた。
「そういう雰囲気をめちゃくちゃ覚えていて、ラグビーいいな、っていうより、東芝のグラウンドとかクラブハウスの雰囲気に、この人たちと一緒にやりたいという気持ちになりました」

 愛すべき大人たちの姿に、数年後の自分が、「どういうオッサンになればいいのか分かった」そうだ。
ラグビーの空気は、最初から自分に合っていた。

 筋力とパワーは十分あるのに思うようにスクラムを組めなかった最初の頃。筋トレの数値は高くない先輩たちと実際に組んでいろんなことを学んだ。
 お世話になったというフロントローたちの名前が懐かしい。例えば湯原祐希さん。2020年に若くして他界したフッカーは、隣のポジションで優しくて、スクラム博士で、本当にお世話になった。
「僕がうまくいかない時も寄り添ってくれた。一緒に組んだら強いし、反対側にいたらめちゃくちゃ嫌な存在でした」

 2017年5月13日の香港代表戦までに日本代表キャップ6を積み重ねた。
 ブレイブルーパスに2021年度シーズンまで在籍し、その後、三菱重工相模原ダイナボアーズへ移籍。現役最後となった2025-26シーズンをイーグルスで過ごした。
 10年ちょっとの楕円球ライフの中で、多くのリスペクトできる選手たちと出会って得たことは、今後の教員生活、コーチ活動の中で自身を助け、若者たちに良きヒントになると思っている。

 リーチ マイケルの嘘のない誠実な人柄。最後の1年では、世界的スター、ファフ・デクラークのチームマンとしての姿を知った。金髪のその9番は、自分のパフォーマンスに納得がいかなかった時の試合後、みんなの前で謝った光景を覚えている。

 そして何より、自分が歩んだ道を伝えることが、若者たちに多くの選択肢を与えるだろう。
 熱中していることに一途になってよし。こちらを見てくれている人の言葉を信じてもよし。未来に希望を抱く年代は、そう気づく。
 リスナーも、人の秘める可能性と、自由に生きることの楽しさを、あらためて思い出すだろう。

 (文・田村一博 「Just RUGBY」編集長)

▽ラジオ番組について
 ラジオNIKKEI第1で6月1日夜6時から全国へ放送。radiko(ラジコ)のサービスを利用して、PCやスマートフォンなどで全国無料にて放送を聴ける。音楽が聴けるのは、オンエアのみの企画。
 放送後も、ラジコのタイムフリー機能やポッドキャスト(放送未収録音源も含む)で番組が聴取できる。U-NEXTでも配信予定。6月8日の同時刻には再放送がある。