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藤島大の楕円球にみる夢

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 昔ながらの応援団長を想像してはいけない。
 髪型はアフロ。
 軽快に太鼓を叩く。歌う。
 リーグワン2025-26シーズンのディビジョン1、全18節のうちの17節が終わった時点(5月3日)で5位。6位以内に戦う権利が与えられるプレーオフへの進出を初めて決めたチームを熱烈に愛している。

 スポーツライターの藤島大さんがパーソナリティを務めるラグビー情報番組「藤島大の楕円球にみる夢」に、リコーブラックラムズ東京の私設応援団長兼コールリーダー、メエ羊山さんが出演する。
 5月4日(月・祝)の夜6時、ラジオNIKKEI第1で放送。

4SH_4617-6.jpg その名前はチームの会報誌に寄稿した際、記載する筆者名が必要になった時に考えた。
 スマホで話しながら歩いていると、たまたま美容専門学校の看板が目に入る。有名な学長の名前の一部を羊に変えてその名は生まれた。

 ブラックラムズの私設応援団長兼コールリーダーとして活動している。2009年のシーズン途中に抜擢される。そのきっかけは山梨でブラックラムズの試合を応援したことだった。

 当時の応援団の人たちに、「山梨まで来るなんてガッツがあるな」と思われた。兄ちゃんちょっとやってみるか、のノリで観客席の前に招かれて声を出した。翌週の秩父宮でも。
「青春18きっぷ」の余りがあったから出掛けてみた地が、長く続く活動の原点になった。

 ブラックラムズの応援に、日本全国を飛び回る。「怖くて調べていない」けれど、17年で250試合以上の応援に足を運んだ。休んだ記憶は高熱を出した時と法事ぐらいと記憶している。

 2025-26シーズンは、鳥栖(佐賀)や鹿児島と、遠方でも試合がおこなわれた。このご時世、旅費の高騰が悩ましい。その影響を受け、高額な料金が必要なアフロを一時中断している。代わりにドレッドヘアーのカツラを着用して応援に精を出す。

 千葉県出身。県立千葉高校ではラグビー部に所属した。最初はフランカーで、2年の秋からプロップとしてプレーした。
 早稲田大学に進学後はプレーから離れ、お笑いサークルを立ち上げる。人を笑顔に、場を盛り上げることが好きだ。そんな人生を歩んでいたから、ファンの前に突然立つことになってもうまく振る舞えた。

 ラグビーの応援で太鼓を使うことには慎重に対応した。鳴り物はダメ、の暗黙の了解があったからだ。
 しかし、現在のリーグワンが出す『観戦マナー・応援ルール』に「鳴り物・楽器の使用可否は各会場のルール、クラブからの要請に従って下さい」とあるように、ある時からそんな文言が加えられた。

 それを見逃さず、フットワークよく動いて現在のスタイルを定着させた。扇動ではなく、リズミカルな太鼓でファンが声を出しやすい空気を作る。一体感を生む。ピッチの上の選手たちにエナジーを届ける。

「いま(の応援スタイル)が正解とは思っていません」と話す。
 例えばシックスネーションズで見られるような、イングランドファンの『スウィング・ロウ、スウィート・チャリオット』やウェールズファンの『ランド・オブ・マイ・ファーザーズ』。自然発生で起こる歌声などが、ラグビーの伝統的な応援とは知っている。

「ただ、自然発生とはいっても、ある時、誰かが歌い出したからみんなも続いて歌ったのだと思います」
 それなら自分が、リスクを恐れず新しいことにチャレンジするファーストペンギンならぬ、「一匹目の羊になればいいじゃん、と思ったんです」。
 人好き。そして、溢れるラグビー愛とブラックラムズ愛。それらが広く伝わるから、笑顔で、声を揃えてくれる人たちが集うようになった。

 母校の県立千葉高校では、校歌を歌うのは卒業式だけという不思議な風習があったと覚えている。プロ野球からヒントを得て作ったブラックラムズ仕様の応援ソングは、「2000回、3000回は歌っています。皆さんに知ってもらいたいので、自分が歌えないことには」と、試合前に歌ってファンに覚えてもらう。

 立ち位置こそ司令塔のようでもあるが、なんだかんだいって、やっぱりフォワード。引っ張っているようで、サポート気質が染み付いている。

(文・田村一博 「Just RUGBY」編集長)


▽ラジオ番組について
 ラジオNIKKEI第1で5月4日夜6時から全国へ放送。radiko(ラジコ)のサービスを利用して、PCやスマートフォンなどで全国無料にて放送を聴ける。音楽が聴けるのは、オンエアのみの企画。
 放送後も、ラジコのタイムフリー機能やポッドキャスト(放送しなかった内容も収録した特別版)で番組が聴取できる。U-NEXTでも配信予定。5月11日の同時刻に再放送する。