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藤島大の楕円球にみる夢

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指導者傾聴! 11月2日(月)のラジオ「藤島大の楕円球にみる夢」は金言満載

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 大きなことは言わない。大きな声も出さない。
 しかし、その人が率いるチームは、日本ラグビーの各カテゴリー代表の中で、もっとも世界の上位にいる。
 世界最高峰のセブンズシリーズ『HSBC SVNS』の2026年シーズンは、トップ3に入った大会もあった。

 女子セブンズ代表、サクラセブンズの兼松由香ヘッドコーチ(以下、HC)が、11月2日(月)に放送されるラグビー情報番組「藤島大の楕円球にみる夢」に出演する。
 ラグビーの指導者を迎える時、パーソナリティーを務める藤島氏は特に燃える。

 10月1日から実施されたアジア競技大会のラグビー(7人制)で、サクラセブンズは金メダルを手にした。
 2024年のパリ五輪後に兼松体制が発足して2年。2028年のロサンゼルス五輪へ向かうチームが描くロードマップのちょうど中間地点で、欲しかった結果を残せたのは大きい。

 兼松HCは大会前、現在のサクラセブンズについて、「いまのチームは、私がこうなったらいいなと思っていたラグビーをしっかり体現してくれている」と話した。
 チームと選手への自信の表れだろう。それを穏やかな言葉で伝えられる人だ。

 大会後には金メダル獲得の喜びの大きさを、届いた祝福メッセージを通して表現した。「会場が一体となり、応援したくなるチームだった」という内容のものを受け取ったそうだ。
「チームのスローガンを『繋ぐ』としています。勝ち負けだけでなく、そこにいる人々、アジア大会ですから、日本以外の人たちもいたと思います。国や性別に関係なく、そこにいる人たちがひとつになるような空間を作るチームになりたいと思っていたので、結果だけでなく、プロセスでも目的を達成できたんだな、と思いました」の言葉に、この人らしい感覚が詰まっていた。

 淡々と大事なことを言う人だ。それは番組の中でも変わらない。「独自のコーチングをしたい」の信念が決して多くない言葉に込められている。コーチなら、ボリュームを上げ、メモを用意して耳を傾けたい。

 1982年6月、愛知県生まれ。5歳の時に一宮ラグビースクールに入った。
 中学、高校とソフトボールに熱中し、インターハイなどにも出場する活躍を見せたが、愛知教育大、中京大大学院に学ぶ中、名古屋レディースでラグビーを再開する。女子日本代表(15人制)キャップ13、セブンズ日本代表キャップ28を持つ。

 リオデジャネイロ五輪にも出場している。チームは「金メダルを狙う」と公言して大会へ向かって準備を重ねた。
 しかし結果は12チーム中10位に終わった。

 猛練習を重ねて臨んだ大会で欲しかった結果は得られなかった。
 なぜ?
 負けた経験。疑問を持ち、それを解決する思考。それらからコーチングを学び、自分の指導スタイルを作っていく原点とした。

 ユース世代の指導を通して得たものを蓄積していまがある。たくさんの選手を見てきた。見つめているのは、どんな選手がいるかではなく、一人ひとりの持つ強みだ。性格も。サクラセブンズの選手たちは、頭の中にある膨大な情報と自分の目を通して選んだ。

 だからこそ、「エースを作らない」と言う。決してパフォーマンス的な言葉ではない。
 選んだ選手たち全員で勝つことが前提だから、日々のトレーニングや、ミーティングで話すことにも一貫性と説得力がある。選手一人ひとりも、求められているものを理解しやすい。

 アジア競技大会でも、「13人(スコッド全員)で金メダルを取ることが私たちのハッピー」と決めて3日間の戦いに臨んだ。
 最初から「決勝を全員で戦う」と選手たちに伝えて実行した。
「私は13人全員がトライゲッターと思っています。ベンチにいる選手たちも力がある。あとから出るメンバーは、試合を締め括る人たち」
 番組では、聞き手の頷く声がたくさん耳に届くだろう。

 普段の練習では、選手たちをほとんど注意しない兼松HC。しかし、「セービングをしなかった時だけは違う」そうだ。
 その時の藤島さんの表情を見てほしい。
 いや、想像してください。

   (文・ 「Just RUGBY」田村一博 編集長)

▽ラジオ番組について
 ラジオNIKKEI第1で11月2日夜6時から全国へ放送。radiko(ラジコ)のサービスを利用して、PCやスマートフォンなどで全国無料にて放送を聴ける。音楽が聴けるのは、オンエアのみの企画。
 放送後も、ラジコのタイムフリー機能やポッドキャストで番組が聴取できる。U-NEXTでも配信予定。11月9日の同時刻には再放送がある。