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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日22:00-、毎週日曜21:30-、などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.142~キューバからの女性ピアニスト~】

このコラムでも再三書いているように、ぼく自身のジャズの好み、と言うよりも買い求めるジャズ・アルバムのほとんどは、楽園系ジャズと言うかラテン・ジャズと言う事になっている。この分野、日本のジャズ・ファンには無視され続けて来たものだけに、日本盤が出ることも実に少ない。そんな中久しぶりに女性ピアニストのマリアリー・パチェーコのアルバム、タイトルは『トーキョー・コール』がリリースされた。

 このパチェンコ嬢、1983年生まれと言うから現在30才になったばかりの若さ。ジャケット写真を見る限り、肌の色は褐色で仲々の情熱的な美女で、如何にもキューバ出身のいいオンナ。まあただ単に見た目が美女であるから、ここで推薦と言うのではもちろん無い。タイトル曲は彼女自身のオリジナルで、これがびしっと決まったなかなかの迫力もので、この1曲でこのトリオの世界に引き込まれてしまう。ドラムスは岩瀬立飛、ベースが若手随一の実力派、川村竜という日本人のリズム隊と組んだトリオ・アルバムなのだが、見事なコラボレーションを聴かせ、およそキューバ・日本の連合ユニットとは思えない素晴らしさなのである。彼女は母国のキューバでは、2002年に若手主体のジャズ・コンペティションに参加、そこで優勝を果たし一躍その名前を挙げ、12年には有名なモントリュー・ジャズ・フェスのソロ・ピアノ・コンベンションで女性初の優勝に輝き、名実ともに世界のトップ・ピアニストに仲間入りする実力派。その余勢をかって12年に日本で録音されたものだけに、このアルバムでの彼女のプレーは、力強さと輝きに満ちており、能天気な音楽とラテンン・ジャズを敬遠する向きにも、訴えかける所は多いはずである。「キャラバン」「朝日のように爽やかに」などの有名曲も取り上げているが、そのアプローチも新鮮で聴き応え充分だ。

 今は本国のキューバを離れ、どうやらオーストラリアを活動拠点にしている様だが、今年の5月頃にはまた日本を訪れライブ・ツアーをする予定だとも聞く。日本側のプロデューサーにはその折には、是非番組に出演してくれるように頼んであるので、彼女の生の声が聴かれるのでは…とも思っています。乞うご期待ですね。 
【3月16日の番組ゲスト:トランぺッター西尾健一さん】
オンエアー曲
M1:Half Sugar
M2:Stella by Starlight
M3:Bitter Truth
M4:なんだっけ?



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