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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日22:00-、毎週日曜21:30-、などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.139~ブルーノート・ルネッサンス~】

 ジャズ・レーベルと言えばだれもがまず思い浮かべるのは「ブルーノート(BN)」だろう。このレーベルに関しては数々の本も出され、雑誌などでもたびたび特集されたりもするが、毎回好評のようである。その「BN」は来年で創立75周年。今年はそのプレ・イヤーと言う事で社長も変わり、かなり積極的に色々と仕掛けてくるようだ。その内容を紹介するイベントが、先日六本木のビルボード・ライブ2で行われた。「BN」と言えば『サムシン・エルス』や『クール・ストラッティン』など数多くの名盤で知られ、もうはるか昔、ぼくが大学生だった頃、新宿のジャズ喫茶で毎日聞き漁ったものだった。当時はアルバム1枚も高くて、その上「BN」は全て輸入盤。学生の身には高嶺の花で、手にすることも叶わなかった。

 そんな懐かしくも、ジャズの中心に君臨していた「BN」だが、今世紀に入ってからは大きく変化しており、あのノラ・ジョーンズ出現以降の新しい「BN」は、ジャズと言う狭い枠を超えた、新鮮な驚きを伴ったニュー・タイプのジャズに変化し、アルバムを出し続けている。その一人であるキーボード奏者のロバート・グラスパーのアルバム『ブラック・レディオ』は、今年のグラミー賞のベストR&Bアルバムに選出されており、これもジャズ部門でなく、R&B部門だと言うところがミソとも言えそうだ。

 今回のコンベンションには、新たな「BN」の社長であるドン・ウオズも来日、このレーベルの今後などについて語ったが、彼はぼくもご贔屓にしていたバンド「ウオズ(ノット・ウオズ)」のリーダーだったデトロイト出身のミュージシャン&プロデューサー。その内容からして黒人だとばかり思っていたのだが、実際は白人でローリング・ストーンズやボブ・ディランなど大物達のアルバムを数多く手掛けている人物。その彼も若い頃は「BN」のアルバムを聞いて育っており、その憧れのレーベルの社長としてここに来ているのが、なんとも不思議だ、と語っていたのが印象的だった。「BN」も来年は記念イヤー。それに向けて今年も様々なジャズアルバムを出していくとのことで、そのラインアップの一端を披露してくれたが、実に多様で豪華。「BNルネッサンス」とでも呼べそうなほどの内容で、彼が熱心なジャズ・ファンだったと言うのもよく分かる。まあこうした新しい「BN」については、3月に担当ディレクターを呼んで紹介してもらうつもりなので、期待してください。それにしてもこのところ、なにかと元気の無かったジャズ界にあって、久々に元気の出るインフォメーション。ジャズの世界もまだまだ捨てたものでは無いようですね。


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