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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日22:00-、毎週日曜21:30-、などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.123~30年ぶりのアルバム~】

 一昔前まではリーダー・アルバムを出すと言う事は、ミュージシャンにとって大変なことだった。その大変さは今もあるのだろうが、以前に比べればその垣根はだいぶ低くなっている。一つにはこれまでアルバムと言えば、大所のレコード会社から出るものと決まっていたのだが、最近はそのほとんどがアルバム、特にジャズ・アルバムなどは出さなくなり、またかつてのようにそうしたレコード会社から、リーダー作を出す意味合いも薄れてきてしまった。得に若い人たちはYouTubeなど自身の音楽を発信するツールが増え、前ほどリーダー作にこだわってはいないようにも見える。しかし中高年のジャズ・プレーヤーには、やはりリーダー作に重みがあることを充分に知っていて、それを出せればやはり相当に嬉しいもののはず。そんな中高年ジャズ・メンの一人が、ピアニストの元岡一英で、今回30数年振りにリーダー作を発表した。 

 元岡は高橋知己などのメンバーがほとんど北海道出身の「北海道バンド」などの活動で知られ、多くのアルバムにも顔を連ねてはいるが、自身のリーダー作はアメリカから帰った直後に出したソロ・アルバムのみ。そこで彼のトリオの一員であるドラマーの渡辺文男(サダオさんの弟)が、彼にリーダー作を出すことを勧め、盟友である天才アケタが自身のレーベル“アケタズ・ディスク”で制作することを快諾、今回お披露目となった次第。

 その彼が30年ぶりの新作を携え、スタジオに遊びに来た。新作のタイトルは『東京ダスク』。東京のジャズ・クラブがスタートする夕暮れ(ダスク)を描いた印象的ナンバーがタイトル・チューンの好ピアノ・トリオ・アルバム。30年振りと言う事で、自身もだいぶ気合が入り、ライナー・ノートも自身で書きジャケット写真も自身で選んだりしたと言う。そして出来上がってみると、やはり大変に嬉しかったと率直に語ってくれた。ぼくよりも少し年令は下だが同世代、ジャズの良き時代とともに歩いてきた彼が、自身のアルバムを出し心から喜んでおる姿は、やはりなんとも微笑ましいものでもあった。
 
 そんな彼が登場するのは、11月第1週の「ジャズ」の時間です。映画出演など楽しい話も聴けます。なお今週のオンエアーはいつもの土曜日18:00-では無く、再放送を行っている土曜日22:00スタートですので、聴かれる方はご注意下さい。


ゲストのピアニスト元岡一英氏


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