お知らせ:

テイスト・オブ・ジャズ

番組へのお便りはこちら

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日23:00-、毎週日曜21:30-、などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.114~追分通信Ⅲ~】

 8月の終わり近くなると、追分の山荘近くは秋のムードが急速に高まってくる。風も時にはいささか肌寒く感じることもある。そんな夏の終わりのこの時期、花と言えばやはり松虫草と言うことになるだろう。薄紫色の可憐な花は楚々としながらも凛とした風情を保ち、仲々に印象深い。残念なことにぼくが散歩道としている御影用水付近では、今年はまだこの花を見掛けていない。

 ところで追分の隣の御代田町(正確には山荘も追分と御代田の町境にあり、住所は御代田になるのだが…)の別荘地に“ふげん山落”と言うコロニーがある。ここはデザイン、写真、音楽など芸術家の別荘が並ぶ芸術家コロニーなのである。代表的な人はあの武満徹さんで、彼は”MIYOTA“と言う素晴らしいポップ・ナンバーを発表したりしている。その他このコロニーに集ったのは、早坂治、柳宗理、池田竜雄など錚々たるメンバーばかり。物故したメンバーも多いようだが、ふげん山落に集った芸術家は全部で30人余り。地元の寺、普賢寺周辺の別荘地なのでこの名称になったのだが、今年はこの山落が誕生した50周年に当たる。この近くの佐久市の近代美術館で記念の展覧会が開かれている(9月2日迄)。ぼくも先日足を延ばしてこの展覧会を覗いたのだが、仲間内の小ぶりの展覧会ではあるが、なかなか示唆に富んだ興味深い展覧会だった。ぼくの行った日はここのメンバーの一人、美術評論家の水尾比呂志氏の講演会もあり、集まったのはこの山落の関係者が大部分で、終始和やかなトーク・イベントでこのコロニーの歴史もわかり面白かった。追分から御代田、静かな森林地帯だが、文化の創造地帯でもあるのだと実感した。


お知らせ

お知らせ一覧