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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日23:00-、毎週日曜21:30-、などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.108~美形サックス奏者~】
          
 ぼくがこのジャズ関連の仕事(番組制作や原稿執筆など)を始めたころは、女性でジャズと言えばピアニストかボーカリスト、あるいはフルート奏者と言った感じで、そのほかの楽器で女性の名前を見る事は殆んど無かった。それから40年近く経った今、まさに大きく様変わりで、女性のサックス奏者やトランペット・プレーヤーが世界中で数多く輩出しており、特に日本~J-ジャズの世界では、女性陣が男性達を凌駕する逆転現象も著しく、本当に驚くべきことだとも言える。特に一昔前には女性では扱えないとも言われた、多大な肺活力を要するバリトン・サックスも、軽々と扱う女傑もおり、まさに隔世の感である。

 そんな元気のよい若手女性サックス軍団のの中でも、その実力と美形によって高い人気を誇っているのが、纐纈歩美(こうけつあゆみ)である。その彼女がスタジオにゲストとして登場してくれた。珍しい名字だが岐阜県の多治見市出身でこの街にしかない名前だと言う事だが、まだ23才。スタジオにも何回か遊びに来てくれ、現在はボストンのバークレー音楽大学に特待生として勉強中の寺久保エレナと並ぶ若手実力派の彼女は、本格的にデビューを果たして以来まだ2年半余り。だがすでに2枚のアルバムを発表し、最新作は北欧のノルウェーに単身渡り、現地の有名なレインボウ・スタジオ(欧州随一とも言われる)で収録、北欧を代表するミュージシャンと共演している。そのアルバムを携えてのスタジオ来訪だったが、アルバムのミキサーもヤン・エリックと言う「ECM」の諸作などを手掛けているいま世界屈指のミキサーで、ヤン自身も“素晴らしい音色と驚くべきジャズ・フィーリングを持っている”ミュージシャンとして彼女を絶賛している。

 「音色で魅せるクール・ビューティー」とアルバム・キャッチにあるが、確かにそのとおりのクール・ビューティーで、そこら辺も彼女の大きな魅力だが、やはり何より若いにもかかわらず、その圧倒的な力量が魅力の原点である。タイトルは『レインボウ・テイルズ』。レインボウ・スタジオで新しく生まれた物語と言った感じだろうが、自身でもこのレコーディングによって、大きく成長出来たと言う。オリジナルも4曲とこれまでになく意欲的だし、そのプレーにも磨きがかかっている。アルバム記念で全国ツアーを7月初旬から実施し、全国25都市ほどを回り、それが終了すると第2弾として、北欧からレコーディング・メンバーを呼び、また何か所かでツアーを行うので、今年の後半は大変なようだが、まだまだ若いだけにそこは元気一杯に突っ走ることだろう。
 
 纐纈歩美さんは7月最後の“ジャズ”の時間に登場します。まだまだ無限の可能性を秘めた彼女ですが、その現在の充実ぶりを番組でご確認ください。


7月28日の番組ゲスト、纐纈歩美さん


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