お知らせ:

テイスト・オブ・ジャズ

番組へのお便りはこちら

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日23:00-、毎週日曜21:30-、などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.83~マニューシュ・スイング~】

 このコラムを読まれている皆様は、ロマあるいはマヌーシュと言う単語をご存知だろうか…。日本では余りお馴染みでないが、欧米各国では一般的なこの単語、実は放浪の民ジプシーを指している。彼らは第2次世界大戦で、ナチスが絶滅を図った民族であり、ヨーロッパ各国では言われなき差別の対象にもなっているとも言われるが、日本では殆ど接触がないため相変わらずジプシーなどと呼ばれるが、これはれっきとした少数民族への差別用語で、国連を始め欧米各国では実に神経質になっているとも言われる。そのロマ、あるいはマヌーシュの人たちが、1930年代からスイング・ミュージックに自身のロマ・ミュージックをプラスして作り上げたジャズが「マヌーシュ・スイング」と呼ばれるもの。サッチモこと、ルイ・アームストロングと並んで、ジャズの画期的なスタイリストとも目されるジャンゴ・ラインハルトが完成させたとも言われるこの「マヌーシュ・スイング」は独特の哀感があり、本場のジャズとはまた一味違った良さがあり、現在もパリを中心にファンが多い。

 日本でも小林清志などジャンゴを尊敬し、このマヌーシュ・スイングに音楽生命を掛けている名手もいるが、若い人には余り関心がもたれないのでは…と思っていたら、そのマヌーシュ・スインングの素晴しい新人が現れたのだった。手島大輔くん。未だ無名だがワールド・ワイドな実力の持ち主と言えそうだ。彼のことは神保町にあるジャズ・バー”アデュロン・ダック“のマスターで知ったのだが、このマスター、NY生活が長かったなかなかユニークな人物。その彼が”凄い新人がいるから是非聞いてくださいよ…“と紹介したのが、この手島君のインディーズ・アルバムで、確かに素晴しい実力の持ち主だった。この手の音は大好きなので、直ぐに彼にスタジオに来てもらう事にしたのだが、熊本出身の彼は、元々はハード・ロックをギンギンに弾いていたとのこと。ジャンゴの音に触れて以来、一転、全てマヌーシュ・スイングに命をかけることにしたと言う変り種で、実にシャイな好青年。その模様は2月4日の”テイスト・オブ・ジャズ”でオン・エアーされる。なお“アデュロン”のマスターはNYにも売り込みを掛けたいと意気込んでいるので、もし彼が世界で認められるようになれば、この放送がそのデビューということ。彼の次回作には、制作等で少しばかりお手伝いもしてみようかとも思わせる逸材。期待できますよ。


手島大輔さんと山本アナ



こちらは1月28日放送の番組ゲスト・音楽ライターの島田奈央子さん


お知らせ

お知らせ一覧