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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日23:00-、毎週日曜21:30-、などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.80~年初のゲストは~】

 明けましておめでとうございます。今年もまた老舗ジャズ番組“テイスト・オブ・ジャズ”(多分48年目に突入のはず!)およびこのジャズ・コラムもよろしくごひいきの程…。

 さて新年最初のジャズ番組は、あのサッチモ=ルイ・アームストロングの名唱で知られる“ワット・ア・ワンダフル・ワールド(この素晴しき世界)”で幕を開けることとなった。如何にも新年ジャズ番組に相応しいオープニング・ナンバーと、自画自賛の一つもかましたくなるが、唄うは昨年のこのコラムで紹介したとおり、今絶好調の実力派ディーバにして才能豊かなSSW(シンガー・ソング・ライター)の畠山美由紀さん。土岐麻子とともに、是非番組に来て貰いたいと思っていた歌姫の彼女に、ようやく願いが適った形で、なにやら年の初めから嬉しくなる。

 その彼女が携えてきた新作は『わが美しき故郷よ』(昨年12月にリリース)と言うタイトルで、このタイトル曲は彼女のオリジナルであると同時に、自身の朗読(雑誌“SWITCH”に掲載された同名のエッセイ)にもなっている。そしてこの故郷とはあの宮城県気仙沼である。昨年デビュー10周年を迎えた彼女は、その記念作を作ろうと考えていた矢先、あの大震災に遭遇、故郷の家族や友人達とも連絡が取れなくなってしまい、アルバム制作どころではなかったようだ。そこから立ち直り作り上げたのがこの“わが美しき故郷よ”であり、雑誌に寄稿したエッセイをライブでこの曲と一緒に紹介したところ、聴いている全員が大感激で、以降は何時も一緒に歌い朗読し、記念アルバムにも一緒に収録したという訳。オリジナル曲も素晴しいが、番組にも良く登場してくれるジャズ・ピアニストの鬼武みゆきをバックに、故郷のなまりも入れ込みながら淡々と読み上げる故郷への想い。これには正月早々、本当に泣かされてしまう。

 “わが美しき故郷よ、人々よ、いたいけな動物たちよ。正しい道を教えてくれてありがとう…。それはつらく険しい長い道のりだけど、目に浮かぶのは故郷の緑と青い海。聞こえてくるのは懐かしい人々と鳥の声…”。全部で7分を超える少し長い朗読だが、この頌歌(しょうか)の朗読に、心洗われる想いに捕らわれるのは間違いない。是非このアルバム、そして彼女の朗読を聴いてみてください。


畠山美由紀さん(左)と山本アナ


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