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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は10月から、毎週土曜日18:00-18:30で本放送するほか、再放送毎週土曜日23:00-、毎週日曜21:30-、などでオンエアー。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.67~You Tubeについて~】

 動画サイト“ユー・チューブ”については以前から、パーカーの貴重な映像が…とか、以前にもこのコラムで紹介した、話題の歌姫グレッチェン・パラートのライブ映像が…、などと仲間のジャズ関係者が教えてくれる。そんな話を聞いてもIT音痴のぼくだけに無縁のものと思っていたが、先日やってきた息子に教えられ、“ユー・チューブ”を見たら驚かされた。
 
 映像だけでなくCDからの音声盗写などまさに好き勝手。個人が好きでやっていることとはいえ、これでは音楽産業など成り立たなくなってしまうとも思われる。これでは音楽不況にもなろうと言うもの。ラジオ局などの音声使用などには異様にうるさいのに、こうしたものにはかなりゆるゆるになっているようだ。どうやら“ユー・チューブ”については、本家のアメリカなどでITメジャーがかなり意図的にスルーしているみたいで、ある意味IT分野での悪しきグローバリゼーションとも言えそうだが(細かくは判らないが…)、反面一般の聴き手には、タダでじゃんじゃんと欲しい音源が入ってくれば、こんなにハッピーなことは無いに違いない。

 ぼくが見たのはグレン・グールドの“ゴールドベルグ変奏曲集”。彼の生のスタジオでのこの曲の全曲収録の模様がタダで見られるのだから、嬉しいことこの上ない。“孤島に持って行く唯一のアルバムを挙げろ”と言われれば、ぼくは躊躇無くグールドのこの“ゴールドベルグ”を挙げる。ジャズでもマイルスなど頭に浮かぶがやはりバッハ&グールド、この最強コンビネーションに勝る音楽はないと言える。そのグールドが動いて演奏しているのである。これは全く感涙ものだ。

 こうした“ユー・チューブ“の扱い。業界人としては由々しき問題だし、この対策も必要だと思うが、音楽好きの個人がこれによって増えていけば、それも意味があるのかもしれない…。グールドがこよなく愛した夏目漱石の”草枕“ではないが”情に棹させば…“で難しい問題ではありますね。


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