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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30+再放送毎週日曜日20:00-20:30でオンエアー。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.61~中央線ジャズ~】

 僕が生まれ育った街は高円寺で、ラジオ屋になって新婚の1年ほどは高尾の山中の新興団地に住んでみたが、あまりの不便さに我慢がならなくなり、現在の国立に越して早や30余年。考えてみればこれまでの年月はずっと中央線沿線。それだけにジャズも、ナンやかんや言ってもやはり洋物よりも“中央線ジャズ”がぴったり来る。

 この“中央線ジャズ”は、国立でジャズ・バーをやっている、かつて“新星堂”のジャズ部門の親玉だった村上寛が命名した用語で、学研からこの名称のジャズ本も出ている。この”中央線ジャズ“の本拠地は、西荻にあるライブ・ハウス”アケタの店“。ここに巣くう連中こそが”中央線ジャズ“なのだが、店同様むさくるしくある意味時代遅れでもある。そのマスターはピアニストにしてオカリナ奏者、”アケタ”レーベルの社長でもある、天才アケタこと明田川荘之だ。

 彼のジャズはオーソドックスにしてアバンギャルドと言う、実につかみどころの無いものだがその曲作りは素晴らしい。彼の率いるフルバンド”西荻センティメンタル・フィルハーモニー・オーケストラ“がアケタをフューチャーした名バラード、”エアジン・ラプソディー”は、けだし聴き物であり何度聴いてもその美しさに泣かされてしまう。いわゆる琴線に触れると言うやつ。惹句に“郷愁・哀愁…そして爆発。これに比するものなし…”とあるがまさにそのとおりの唯一無比の世界。

 先日も暑さしのぎにこれを大音量で聴いていたら、やはりウルルンと来てしまい、アケタにTELして番組に登場してもらうことにした。彼は今生意気にも武蔵野美大の客員講師で、その授業は女子大生達に大人気だと言う。これだから知性の無い女子大生には困ってしまうが、当人は満更でもない様子。そんな彼の近況や”アケタ・ディスク”の新譜を携えて来る彼の放送は9月上旬を予定している。今は亡き良ちゃんことドラマーの古沢良治郎の“アケタの店”でのラスト・ライブなど泣かせる話も数多く聞かれる筈である。


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