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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30+再放送毎週日曜日20:00-20:30でオンエアー。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.54~大御所登場~】

 どの分野でもそうだが、J-ジャズでもいわゆる大御所はいる。台湾では“爵士帝王”と呼ばれるサダオさんこと渡辺貞夫がその代表格だが、そのサダオさんも頭が上がらないのが、日米を頻繁に行き来しているゴッド・マザー、秋吉敏子。この2人に伍す人と言えば、秋吉さんより少し年下で、同じ中国東北部(旧満州)出身の、ボーカル界のリーダー、マーサ三宅と言うことになるだろう。

 そのマーサさんが恐らく生涯のラスト・アルバム『マーサ』をこの5月末に発表、そのアルバムを携えスタジオにやって来た。彼女とは因縁浅からぬ仲で、彼女の8年振りとなった2年前の前作『ソフトリー・アズ・アイ・リーブ・ユー』は、実はぼくがスーパーバイザー(=プロデューサー)を担当したもの。このアルバムは評論家の集まりである“ミュージック・ペンクラブ”のジャズ年間最優秀賞作品に輝いた、かなりの名盤なのだが、もとはと言えば彼女にインタビューした後の雑談から生まれたもの。

 彼女から“最近新しい作品を出していないので、ここらで是非出したいものね…“と、相談をもちかけられ、直ぐに安請け合いをしてしまう僕が「それならどこかレコード会社を探しましょう」と請合ってしまったのだった。それから何社かのレコード会社ジャズ担当に声を掛け,ようやく決まってレコーディングにたどり着いたときは本当にホッとしたものだった。そのアルバムが賞を獲ったのだから、やはり嬉しかったし、日頃から何かと良くしてくれるマーサさんも大感激。恐らく(当時の)ラスト・アルバムという心意気がこの結果に繋がったのだと思う。しかしその後、またレコーディングの話が来て、今回のアルバム『マーサ』になった訳だが、おそらく世界でも最高齢の現役ジャズ・シンガーだけにどんどんアルバムを出し続けてもらいたいもの。スタジオにきた際に「もっとアルバムを出し続けて欲しい」と、ハッパをかけた。などと書くといかにも偉そうだが、彼女に会うと本当は殆ど何も言えないぼくなのです。このマーサさんの放送は7月2日にオンエアーを予定しています。


”大御所”マーサ三宅さん(左)と山本アナ


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