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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日19:30-20:00(再放送毎週日曜日20:00-20:30)好評放送中です。番組進行は山本郁アナウンサー。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.28~寺久保エレナ~】

 前回の年初のコラムで、今年は昨年以上に女性プレーヤー達の勢いが増すのではないかと書いたが、その筆頭格が、昨年リーダー作を出し、夏の“東京ジャズ”ではロン・カーターオマー・ハキムと言った大物をバックに圧巻のプレーを展開した、札幌在住の現役高校生アルト奏者、寺久保エレナだと言うのは、多くのファンが認める所だろう。

 その彼女が先日スタジオに遊びに来た(放送は1月15日の“テイスト・オブ・ジャズ”で)。現在高校3年生で、国際学科の生徒とのことで、語学にもかなり自信があり、短期のホーム・ステイが義務付けられているとのことで、海外に行くのは大好きと言う積極的な子。3月には高校を卒業し、その後はアメリカの大学に留学することを決めていると言う。小柄で愛くるしい彼女だが、ひとたびアルトを手にすると、大物をバックにしても少しも物怖じせず、バリバリと吹きまくる。草食系の容姿を持った肉食女子と言った趣で、どんな大物とステージに上がっても舞い上がることはないと言い切ったのには驚いた。その才能は早くから東京でも知られており、ぼくも山下洋輔さんから彼女のことは3年程前から聞いていた。

 山下さんは彼女の才能に惚れ込み、そのデビュー・アルバムに”ノース・バード“と言う曲を贈っており、これがアルバム・タイトルにもなっているのだが、北のバード(チャーリー・パーカーの愛称)とは彼女への期待の大きさを如実に表している。その彼女の最も好きなプレーヤーは、僕も最も好きなアルト奏者である「キャノンボール・アダレー」だと答えてくれたのがなんとも嬉しい限り。留学して日本には何回か戻ってくるらしいので、その時にはスタジオに遊びに来てくれると約束してくれた。嬉しいではないか。成長をじっくりと見守っていきましょう。


アルト・サックス・プレイヤーの寺久保エレナさん。昨年、Jジャズ界の話題をかっさらった北海道在住の現役高校生プロミュージシャンです。


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