お知らせ:

テイスト・オブ・ジャズ

番組へのお便りはこちら

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日19:30-20:00(再放送毎週日曜日20:00-20:30)好評放送中です。番組進行は山本郁アナウンサー。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.23~神保町~】

 一昔いやもう二昔程前の話になってしまうのか…。当時は打ち合わせで外に出ると、よくその近くのジャズ喫茶に入って一休みしたものだったが、今はジャズの衰退と共に、そのジャズ喫茶が都内のどの街でも殆ど消え去ってしまった。ジャズが聞こえる小洒落た店はわんさかあるのに、ジャズを聞かせる店はもう殆ど無い。本当に寂しい限りだ。そんな折神保町界隈では、この所ジャズ喫茶が幾つか誕生しているらしい、と言う話をジャズ仲間から聞きつけ、捜してみることにした。確かに3軒ほどジャズ喫茶はあった。平日の昼間だけに殆ど人はいなかったが、昔のジャズ喫茶の面影を残したなかなかいい店ばかり。少しばかりほっとしたし嬉しかった。

 その中でお勧めは神保町の交差点近くにある“アデュロンダック”と言うお店。細い路地を入ったビルの4階と言う、恵まれないシチュエーションにある。マスターも一癖も二癖もありそうな男。話しかけるのにいささか躊躇してしまうが、同行の友人が一回話したことがあるとのことで紹介してもらうと、これがなかなかにファニーなおっさんで、ユニークな経歴の持ち主。若い頃はジャズ・レコード・ショップに勤めていたが、一念発起しアメリカに渡りレコード・バイヤーとして活動、その後帰国してからもレコード輸入の仕事をしており、店を開いてまだ1年半ほどとのこと。話し出すと止まらない愉快な人で、ぼくの1年後輩で今NYで公認会計士をしているH君(NYのジャズ関係者では有名だった)とも仲がいいとのことで、彼やそのお仲間のミュージシャンの話などで盛り上がった。
 
 店の経営は苦しいとのことだが、好きなだけに細々とでも続けて行きたいとのこと。彼のNY体験談なども大変に面白いので、来年にでもジャズ番組に登場してもらう約束をして、その日は別れた。神保町の“アデュロンダック”、皆さんも一度覗いてみてください。そういえばこの店名は、NY州にある有名な国立公園の名前とのことで、そこでキャンプしたときの感激でこの名前にしたとの話。ますます気に入ってしまいました。


お知らせ

お知らせ一覧