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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日22:00-22:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.219~若き女性ベーシスト~】

 ジャズ界も一般社会と同じく、このところ女性の進出が目覚ましい。女子ジャズなどと言う言葉が昨今の流行になっており、先日軽井沢で行われたジャズフェスも、このコラム「追分通信」でお伝えした通り、まさにこの女子ジャズがテーマ。寺井尚子やケイコ・リーと言ったリーダーよりも、寺久保エレナ、市原ひかり等と言った若手達の頑張りも目立ったフェスでもあった。
 一昔前、即ち10数年前までとはジャズシーンも様相は一変して、かつては女性のジャズと言えばボーカルかピアノ、それにフルートと言ったくらいで、女性のトランぺッターやサックス奏者などが出て来ると、それだけでもてはやされる傾向もあった。確かにかつても女性だけのフルバンドも存在はしており、プロのバンドとしても活動したりもしたが、これは珍しくも貴重な存在だった。しかし今は多くの高校のブラスバンド部はほとんが女子生徒。その子達が大学に入ってジャズをやるようになるのだから、ある意味女性優位になるのも当然の現象かも知れない。管楽器以外でもベースやドラムなどでも、優秀なプレーヤーも少なくない。そんな一人が今回番組に登場する。

 若きベーシストの程嶋日奈子さん。彼女は我が早稲田モダンジャズ研究会出身の俊英。ぼくはうかつにも彼女の存在を知らなかったのだが、高田馬場のジャズの顔役、茂串氏やジャズ研仲間の新宿「J」のマスター幸田君などから素晴らしいベーシストがいて、アルバムももう数枚あるから、是非番組に出して見たら...と勧められ、彼女に声を掛けた次第。彼女と連絡が取れ、そのアルバム『ディープ・ダイブ』『ビヨンド・ザ・ブラック』を送ってもらい聴いてみると、これが何ともカッコいいネオハードバップ作で直ぐに気に入り、スタジオに来てもらうことにした。
 父親が明治大のフルバンドのバンマスをやっていたので、子供の頃からジャズは身近にあったと言う彼女。鎌倉にある老舗ジャズ喫茶「ダフネ」で実際の生の演奏を耳にしてすぐに虜になり、その時出演していたドラマーの大隅氏(父親と同じ明大のフルバンド出身)の勧めもあり、早稲田大学に入ってからはジャズ研でベースを学び、そのままプロになったと言う。かなり小柄で、ベース熟せるのか...と心配になるほどだが、堂々と巧みにベースを鳴らしておりペット&アルトの2管ユニットのリーダーとして、見事に決めてくれている。「わたしにとってのジャズとは、癒されるものでもBGMでもなく、スピードとスリルに満ちて、圧倒的に格好良く愉しくて仕方ないものだった」と言う彼女。その演奏もまさにその言葉を具現化したもので、若さと格好良さに溢れている。自分たちのユニットは、大人げなく獰猛な5人なのだと宣言するが、その今後は大いに期待できる。この頼もしい後輩の言葉に、終始肯きっぱなしだったのです。頑張れ程嶋日奈子!

【今週の番組ゲスト:ジャズベーシストの程島日奈子(ほどしまひなこ)さん】
M1『Dark Orange Sunset』
M2『Deep Dive』
M3『Beyond The Black』
M4『Habanera From "Carmen"』

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