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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日22:00-などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.170~新宿の老舗ジャズクラブ~】

 新宿と言うと今でこそ小奇麗な街に変ってしまったが、かつてはゴールデン街やションベン横丁など、怪しげな飲み屋街が数多く存在するいかがわしい混沌の町だった。まあそうだったからこそ、この街が好きなのだし、そうした所にこそ「ジャズの街」としての新宿のイメージや価値もあったとも言える。ところが今や新宿でジャズのイメージを探すのも、難しくなってしまった。ジャズをBGMにしている、カフェや飲み屋、飲食店などは数多いが、かつて全盛だったジャズ喫茶も、老舗の「ダグ」が形態を変えて生き残っている位でほぼ全滅。ただライブ・ハウスだけは、不思議なことに「ピット・イン」を筆頭に幾つか残っているのである。

 そんな中で頑張っているのが、我らが「J」である。我らと言ったのはこの「J」は、早稲田大ジャズ研のクラブと言ってもいい存在だからである。マスター(=社長)の幸田稔君~バードマン幸田と自称している~は早稲田大のジャズ研仲間でアルト奏者。宣伝部長が1年下のタモリで、OBや現役バンドなども時々登場、ぼくも店の幹事になっている。しかし仲間内だけでなく、サダオさん(渡辺貞夫)や山下洋輔さんを始め、J-ジャズの大物達から、パット・メセニーなどの本場の大物達まで、数多くのミュージシャンやシンガーがここのステージに立っており、若手ミュージシャンやシンガー達にとっては憧れのライブ・ハウスの一つ。今や「ピット・イン」に続くライブハウスの老舗で、ジャズと新宿と言うと「ダグ」の中平氏に続いて、幸田君が登場する決まりになっている。自身は至って気さくな人柄だが、今や新宿ジャズにとってなくてはならない重鎮である。


 その「J」がこの10月で開店35周年。元々彼の前のマスターが海で溺死してしまい、この店に通っていた連中が後を引き継ぐことになり、当時繊維会社の営業マンだった幸田君が、一念発起して店を継ぐことになり、それ以来35年。良く頑張ってきたものである。ぼくも昔はこの店からジャズ生中継をやったり、タモリ特番で山下vsタモリ(たけちゃんも乱入)などを仕掛けたりと、色々と遊ばせてもらった。店の壁は貸画廊としても貸し出されており、月替わりで展示会が開かれているが、世界的なジャズ写真家の故阿部克自氏を偲ぶ会で、この「J」の壁面を写真展に仕立てて実施したりもした。

 そんな35年間、ご苦労さんでしたと言う意味合いも含め、幸田君には10月中に「テイスト・オブ・ジャズ」のゲストとして登場してもらう事にしている。当日は店に所縁のシークレット・ミュージシャンかシンガーを連れて来てくれることになっている。「超大物を頼むよ...」と彼には言ってあり、彼も未だサダオさんが番組に登場していないことも良く知っている(幸田君はアメリカ帰りのサダオさんの最初の弟子になる)だけに、もしかしたらと期待もしているのだが...、果してどうなることか。今から担当者としてもドキドキもの...。皆様も是非ご期待あれと言った感じ。

【今週の番組ゲスト】写真家、作曲家、映画プロデューサー、そしてエアプレイン・レーベルの代表の川端潤さん。最新のアルバムから5曲御紹介頂きました。
M1「Sigh of Thousands / Jun Kawabata」
M2「Under the Sunny Sky / Jun Kawabata」
M3「Both Side Now / LUFT」
M4「Georgia on my mind / Mooney」
M5「On the Beach / Jun Kawabata」

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