お知らせ:

テイスト・オブ・ジャズ

番組へのお便りはこちら
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.272~ジャパン大金星】

 一部では戦争法案などとも非難される安保関連法案のごり押し採決など、いかにも危険な方向に進みつつある日本の政治状況に鬱々、悶々として、気の晴れない日々の連続だが、そんな精神の閉塞状況を吹っ飛ばしてくれる嬉しいニュース~「ラグビー日本代表の快挙」が、遥か彼方の地ロンドンから飛び込んできた。
 ちょうどこの歴史的試合があった9月20日は所要で追分の山荘にいたので、彼の地からのTV生中継を見ることは叶わなかったが、翌朝すぐにラグビー観戦仲間からTELがあり、この快挙を知った。山荘にはTVが無い為再放送すらも観られず、近くの知り合いに頭を下げ頼み込み昼からの再放送を観戦さえてもらうことにした。
 その試合~南ア戦、いやー感激、感激。涙なしには見れない凄い試合だったし、半世紀近いラグビー観戦歴の中でこんな瞬間が訪れるとは思いもよらなかった。ヘッドコーチのエディー・ジョーンズが、「ラグビーワールドカップ史上最高の試合」と評したが、まさにその言葉通りの記念すべき大試合。世界3位で優勝候補の南アフリカが次試合などを見据え、かなり日本を軽く見て、選手を早めに交代させたなどと言う、ラッキーな一面もあったが、ジャパンの選手たちの見事さ、特にディフェンスの素晴らしは特筆もので、あのパフォーマンスを再び出来るかは知る由もない。それ以上に素晴らしかったのは、(これはラグビーファン以外も認める所だが)残り時間僅かで、間違いなく同点になるPK(ペナルティーキック)を選択せずに、トライを取り勝利する選択をしたこと。そしてその結果は、インジュリータイムに入っての奇跡の逆転劇を生むことになる。同点でも世界中が驚異と受け止めただろうが、それを勝ちに行くという選択をしたその決断の意志。トライが取れなければ試合は負け。しかしTV解説の吉田義人氏も言っていたように、何も失うことのない日本はそれでいいのだと思うし、これで負けたとしてもラグビーファンは誰も選手を責めなかったはずである。他所の家ながらも試合を見ながら涙を禁じ得なかった。
 凄い、素晴らしい。こんな試合を観戦そして選手にインタビューしているに違いない我らがラグビー番組『楕円球にみる夢』のパーソナリティー藤島大さんとディレクターのH嬢が、心底羨ましくてしょうがなかった。無理をしてでも同行すべきだったかもしれない。TV画面にも感激の余り泣き腫らしている、中年の日本ラグビーファンが映し出されていたが、ここ数十年サッカーの前にひれ伏し、かつての栄光は何処へ...と言った感じの、日本ラグビー界のことを思っての嬉し涙だったに違いないし、その思いは全てのラグビーファンに共通していた筈である。
 そう言えばオックスフォード大の招待を受け、ロンドンで国際交流試合を行っている早稲田大ラグビー部の面々も、この試合を見てラグビーの素晴らしさを再確認し、その選手達にも番組ではインタビューしているはずだろう。そして奇しくもこの日は、早稲田ラグビーそして日本ラグビーの象徴とも言える名将、大西鉄之助氏の命日。かつてのジャパン戦士達も感涙にむせんでいたに違いない。

 
この試合ラグビー経験者の芸能人もこぞってコメントを寄せているが、中でも笑えたのは沖縄出身の漫才「スリムクラブ」の真栄田(彼はTVでラグビー番組のパーソナリティーもやっている)の「ジャパンの勝利は、具志堅用高が数学オリンピックで優勝した様なもの」との評言。そう、そのとおりの奇跡だったのだ。
 それにしてもこの試合で再度盛り上がるに違いないラグビーと言うスポーツを、ラジオで日本で唯一レギュラー番組として取り上げ、オンエアーしているのがラジオNIKKEIだということ、これは率直に誇っていいこと。パーソナリティーの藤島氏、担当のH嬢。ロンドンで感涙にむせんでいる2人に東京から熱いエールを送りたいと心底感じたもの。出来うるならば東京でのワールドカップ開催時まで、ラグビー番組が存続することを切に願いつつ...。
 
そして3日後の23日に行われた大事な第2戦。南ア戦の結果を見て本気を出し牙を向いて来たスコットランド。ほぼアウェイの状況で中3日の過酷な状況で戦ったジャパンは、前半こそ拮抗した試合だったが、後半は力尽きズルズルと敗北、残念な結果に終わったが南アに勝ったと言うその誇るべき価値は、少しも減じるものでは無い。ヴィヴァラグビー&ヴィヴァジャパン!

お知らせ

お知らせ一覧