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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は、毎週木曜22:30~23:00(本放送)と金曜18:30~19:00(再放送)で放送中。番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.642~ミカ・ストルツマン~】

 今週の「テイスト・オブ・ジャズ」は久々にアメリカからのお客さんの登場である。ミカ・ストルツマン、ジャズマリンバ&ヴァイブ奏者である。「ミカ」というとなにか日本人ぽい名前なので、二世の人と思われた方もいるだろうし、これまでに来日経験もあるので、その存在をご存じの方も少なくない筈だ。ジャズ奏者として以上に彼女の存在を有名にしているのは、現在の旦那であるリチャード・ストルツマン。彼は現役のクラシッククラリネット奏者の最高峰で、武満徹やブーレーズなどの作曲家からクラリネット曲を捧げられるような至高の存在。グラミー賞など数多くの音楽賞を総なめしている。

 現在80才を超えたリチャードとミカさんの年齢差は大分のものだが、この2人が一緒になったのはどうやら最近のことだ。2人はある音楽祭で出会い、クラリネットの神様の方が彼女に一目惚れ、色々あった後に一緒になったとのこと。そこら辺の事情も番組でミカさんは語っているが、それ以来は夫婦デュオとして活動を共にしており、今回は彼女が親しかった故チック・コリアの所縁のジャズメン達と共に「スペイン」等チックの代表的ナンバーを取り上げた、新作『スピリット・オブ・チック・コリア』(旦那もクラリネットで特別参加)を引っ提げて、旦那とともに来日公演を果たし、その合間を縫ってスタジオに遊びに来てくれたと言う次第。

 元々彼女は熊本の天草の出身。日本で音楽教育を受けた後単身アメリカに渡り、ジャズマリンバ(&ヴァイブ)奏者として修業を積み、2008年に本場のジャズシーンにデビュー。ジャズマリンバをやる人はあまりいないこともあって、徐々に本場でも名前をあげて行き、交友関係を広める中で音楽界の超名士でもあるリチャードと一緒になり、リチャード&ミカとしてその名前を一躍全米で知られるようになる...、と言ったジャズシンデレラストーリーの実現者とも言えるような存在。単身アメリカに渡り厳しいラットレース(ミュージシャン生活)に身を投じた...と言う女性だけに、気風も良く快活。ぐいぐいと前に出るアメリカナイズされた活発な女性で話も抜群に面白い。そこら辺にクラリネットの神様リチャードも惹かれたのだろうが、番組では是非この世界最高峰にゲスト登場して欲しいと交渉した。だが結局は高齢による演奏旅行の疲れ...と言うことで、当日は顔を見せず残念な結果に終わってしまった。

 リチャードはクラシック作品だけでなく、ジャズやワールドミュージックなどにも関心が深く、様々な音楽に積極的に挑戦する攻めの人。特に彼がラテンのミュージシャンと共演したラテンフュージョンアルバムは素晴らしかった。一方のミカさんの方は収録中も至極ご満悦、チックの想い出や自身の経歴などを率直にしゃべってくれ、好感度も抜群。収録後は山本嬢と共に写真を撮り、アメリカのジャズメン達にもこの良い番組を宣伝するからね...とまで語ってくれた...。「テイスト・オブ・ジャズ」も、彼女の様にワールドワイドな知名度を得る日も近いかも知れない。そんな期待を抱かせる一日でした。

【今週の番組ゲスト:マリンバ奏者の ミカ・ストルツマン さん】

SPIRIT OF CHICK COREA」より

M1Armando's Rhumba

M2Crystal Silence

M3Wigwam」

M4Marika Groove」

ミカ・ストルツマン1.jpgミカ・ストルツマン2.jpg

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