「テイスト・オブ・ジャズ」は、毎週日曜19:00~19:30で放送中。番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。
【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.748~セルジオ・メンデス~】
ブラジルを代表するポップミュージックの雄、セルジオ・メンデスが、この5日に亡くなった...とニュースで知った。「マシュ・ケ・ナダ」を始めとするそのヒットチューンは、ブラジルだけでなく世界中で愛されており、死亡ニュースには日本でも矢野顕子など、多くの有名人達が哀悼の意を表していた。まあそれだけ多くの人の心に、そのナンバーが色々な影響を与えたもの...とも言えるが、死因は新種のコロナ変種で、住まいのあるロサンジェルスで亡くなったとのこと。痛ましい限りだが、早くからワールドワイドに活躍していただけに、もっと年上かと思いきや...、意外にぼくと年齢が近いのでいささかビックリでもあった。
ブラジルの大都市、リオの郊外で生まれ育ち、早くからそのピアノの腕前を高く評価されていた彼は、10代の頃からモダンジャズに魅せられ、ジャズバンドを結成、ブラジルを代表するジャズメンとなり、23歳のときにはセルジオ・メンデス&セクステット・ボサ・リオと言う自身のバンドで、3管編成による『イパネマの娘』(Mer)を出し、ボサノバ系のジャズピアニストとして、世界的にその存在を識られるようになる。このアルバムはジャズボッサの名盤として今も評価の高いもので、ぼくもジャズボッサの代表作として良く紹介させてもらったりもしたが、彼がジャズボッサを代表するピアノ名手...、と言う認識のあるファンが意外に少ないのは、はなはだ残念な処...。
65年にはブラジルを離れ渡米、以降はアメリカのミュージシャンとしてポップスの分野で世界的に活躍する。ロスに豪邸を構え生涯を終える...と言う、恵まれたミュージシャン人生を送ることになる訳だが、大の日本びいきで来日公演も数多く、特に音楽フェスに参加すると、大ヒットの「マシュ・ケ・ナダ」を初めとするヒットチューンを立て続けに披露、愉しさ全開でファンサービスもたっぷりなそのステージは、熟達なエンターテイナーそのもので、盛り上がり重視の音楽フェスには欠かせないものだった。ぼくなどもその演奏とステージング、何時も満喫させてもらっていた。
数多い彼のアルバムの中では自身のバンド「セルジオ・メンデス&ブラジル66」を世界的に有名な存在とした、『マシュ・ケ・ナダ』(Å&M)が一番だろう。だがぼく自身は前記のジャズピアニストとしての実力をフル発揮した1作、そしてブラジルの代表的な音楽地域~バイーアの音楽を全面的に紹介した『ブラジレイロ』(ELEC)を強く推薦したい。特に後者はブラジリアン~セルジオ・メンデスの意地が強く感じられる好編で、音楽の国とも言われるブラジルの地域音楽の素晴らしさが、全面的に紹介されたすぐれ物で、グラミー賞も受賞している。何れにせよこの素敵なブラジリアンの死、心からの哀悼を...。
【今週の番組ゲスト:"eFreydut"のおふたり ドラマーでタブラ奏者の 大村 亘(こう)さん ピアニストの永武幹子さん】
新譜『Fairway』より
M1「Savichara」
M2「Glow」
M3「Petrichor」
M4「Not Sure」




