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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.265~次々に逝く】
 
  6月末から7月にかけては季節の大きな変わり目で、急に暑くなりぼくのようなロートルには毎日かなり応えるが、これが病気の人ならば耐え難い筈で、それに耐えられず...と言う人も少なくないようだ。そんなこともあってか今年の夏はジャズそしてラグビー関連の重要人物3人が相次いで亡くなってしまった。この3人とは一寸声を交わしたり、数回番組に登場してもらったりしたもので、およそ知り合い等とも言えない関係だったが、ぼくにはどれも印象深い人達ばかり...。

 先ずはピアニストのプーさんこと菊池雅章さん。この7月7日にNYの病院で亡くなり享年75才。80年代ごろから拠点をNYに移し、ワールドワイドな活動に力を入れた、日本人ジャズメンでは初めて海外で本格的勝負をしたとも言える世界的ミュージシャンだった。ぼくのジャズ学友、チンさんこと鈴木良雄(b)がかつて、彼のバンドに在籍していた関係などもあり番組にも2度ほど出演してもらったこともある(30年以上前)のだが、学生時代からのジャズアイドルの一人だけに、プーさん出演時はえらく緊張してしまった覚えがある。ジャズプレーヤーとしては珍しい東京芸大出身(今はかなり増えているが...)の超インテリで、相当バンドを組んでいた日野皓正さんも彼の言うことは絶対で頭が上らなった。NYで闘病生活を続けていた話は聞いていたが、とうとう逝ってしまった。残念である。

 そしてもう一人はぼくのようなジャズライターのはしり、相倉久人さん。あの血気盛んなジャズ黄金時代。東大出気鋭ライターとして全共闘世代のアイドル、平岡正明氏と共に熱く激しくあの時代を突っ走った彼は、山下洋輔さんと最も親しく初期の山下トリオの讃美者でもあった。学生時代から敬愛していた存在だけに、ぼくなどは恐れ多くてあまりお付き合いもなかったが、山下さんに正式紹介され色々と話す機会もあった。だがなぜか番組出演の依頼はしなかった。と言うのも彼は70年代半ばから「ジャズは死んだ...」と公言、ジャズライターとしての仕事からロックの方に軸足を移してしまったこともその因の一つ。あのときお願いしておけばと今は悔やむばかりだ。合掌。

 そして3人目はこの中では一番若い、と言っても享年62才。慶応ラグビーのある象徴とも言える上田昭夫さん。彼のラグビーブログは色々な意味で中々に面白いし、結構裏情報も載っており、毎回楽しみに読ませてもらっていたのだが、このところ入退院を繰り返した話ばかり、いささか心配していたところ当然ブログ更新もないままこの7月23日に難病「アミロイドーシス」のため亡くなってしまった。国立競技場でラグビー試合があった後には、彼が慶応ラグビー関係者と集まる中華屋で時々一緒になり、ラグビーではなくお互い知り合いのフジテレビ関係者の話などを数回したが、慶応らしくないベランメー調の気さくな男で、強烈な愛校心の持ち主。新人勧誘等も積極的に行っていた。慶応大監督として2度日本一を経験、フジTVのキャスターも務めるなど多才な人でも有った。 大変に残念であるこの齢になると周りはどんどん亡くなってしまう。せいぜい楽しみを見つけ頑張るしかない様だ。3人に改めて合掌!

【今週の番組ゲスト:ボーカリストのサラ ガザレクさんとピアニストのジョシュ ネルソンさん】
M1「ALL AGAIN」
M2「O PATO」
M3「PETIT PAPILLON」
M4「BLACK BIRD/BYE BYE BLACK BIRD」
 

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