【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.798~パワハラ問題で思うこと~】
昨年暮れからのフジテレビの諸問題に端を発し(それだけではなく既に世の流れとも言えるが...)、各TV局などでのコンプライアンス重視、特にハラスメントに関しての論議が活発になり、それぞれの局では目に見えて改革も進み、まあ民間放送局として喜ばしいことだと言える。ただしラジオ局などに長年在籍していると、スタッフも少人数だし、下請けの人をスタッフに使うことも少なく(あくまでぼく自身の長年の経験ですが...)、一人で全ての仕事を熟すのはラジオ局員として至極当然だと思って来た。下請けに対するパワハラ問題などが起きるということは、ほぼ想像外でもあった。例外的には海外に取材に行って仕事をすると、そんなハラスメント話も漏れ聞こえてくることもあり、些か驚かされることも時々あった。そもそもラジオ局なので、海外取材などはまあ殆ど無いのだが、ぼく自身は台湾関連の特番をここ20数年作り続けて来た。そんな中での話なのだが、この台湾特番がスタートした最初の頃(未だTV制作なども華やかだった最盛期頃の話だが)、取材先のセッティングなどを、現地のコーディネーター会社に頼むことも時々あった。ただ予算の規模がTV局とは1桁も2桁も違い、殆んどいい顔をされなかったし、こちらも頼み難かった。
ただ一つ良かったのは、現地会社の社長やお偉いさんが「小西さんの所の仕事は値段は極端に安いが、気持ち良くやれて、見ていて乱暴なことも無いからね...」などと異口同音に語っていたこと。一方でテレビ局の取材は結構粗雑で、複数のテレビ局がそれに該当してた、とのこと。いずれも人気バラエティ番組のようだが、台北市内の数カ所の取材中に局のディレクターやプロデューサーが、下請け会社のADを荒っぽく扱い、罵声を浴びせ続けるとか、コーディネーター会社の面々も大分驚いた...等と聞くと、こちらもなんとも言えない嫌な思いと、恥ずかしさで一杯になったものだった。まさかそんなことが...とその時は半信半疑だったが、この前吉本芸能の人気お笑いコンビがある番組で、全盛時のTVバラエティーでの、局員の態度や振る舞いに触れ「凄かったよなー、あの頃は...殴ったりとか...」と感慨を漏らしていたが、さもありなんと思った。この手のバラエティー番組の制作現場は、往々にして古い体育会気質が抜けず、昔に関してはある種のパワハラも横行していたようである。
「あれは昭和の感覚...」などと軽く決めつける、今の若いTVマンもいるかも知れない。確かにぼくらが生きた昭和は、古く酷い面もあったかも知れないが、人権や自由探求の意識などは、今以上に健全で強固だった面もあるのだ。ただこうした話を聞いたり思い出したりすると、まあ同じ放送業界にいた人間としても反省しないとならない面も多々。これはバラエティ関連だけのこと...と個人的には思っているし、もう現在はほぼ無いだろうとも信じているが...。果たして...
【今週の番組ゲスト:東京キューバンボーイズ リーダーの見砂 和照(かずあき)さん】
新譜「WITHOUT YOU ~至高のキューバン・ビート~」から
M1「Cuban Fantasy」
M2「Mambo Negro」
M3「城ヶ島の雨」
M4「Prado Medley」




