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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日22:00-22:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.217~ラテンジャズ新星~】

 暑い夏と来れば、クールに燃えるボサノバ、熱く激しく迫るサルサ=ラテン・ジャズと言うのが決まり文句(なんですかねー)。ぼくのお好みはもちろんラテンジャズ~サルサ。数年前大学時代のクラブ仲間達と初めてのキューバ・ツアーを行うはずだったが、特番が決まってしまい、言いだしっぺのぼくだけが参加出来ず大変に悔しい思いをしたものだった。その時のツアーは現地の有名ミュージシャンの自宅を訪問して、その家でセッションを聴くなどと言った信じられないような恵まれたツアーだったようだが、その旅行のコーディネイター兼通訳をやってくれたのが、あやちゃんこと二田綾子さんだった。東京芸大出身でスペイン語堪能、現地ミュージシャンの知り合いも多い彼女ならではの旅行企画だった訳だが、その彼女がご推薦で自身でもライナーを担当しているのが、ラテンジャズ界のホープ、仲田美穂さん。

 彼女は数年前にも「横浜ジャズ」の出演者の一人としてスタジオに来たことはあったが、単独での登場は初めて。4年ぶりになる新作『アリーバ!(上へ)』を引っ提げての初お目見え。デビュー作『コラソン』を作って以降、キューバ以外にもプエリトリコや米国のニューオリーンズ等様々な所を旅し、その成果を盛り込んだ作品に仕上げている。「ラテン音楽を幅広い層に知ってほしい。楽しく聴いて欲しいという思いを軸に制作しました」と彼女は語ってくれたが「マシュケナダ」「パーフィディア」などと言ったお馴染みのナンバーが並び、あの坂本九の名曲「上を向いて歩こう」も見事なラテンジャズに作り変えられている。
 メンバーは高橋ゲタ夫(b)、美座良彦(ds)と言った強者リズム隊に、2本のフルート、そして曲によってトロンボーンも加わると言った少し変わった編成。赤木りえ、井上新平と言ったフルート奏者も素晴らしく彼女を盛り立てており、コーラスも挿入されているのだが、これはメンバー全員が参加しているとのことで、いかにも和気あいあいのセッションだということをうかがわせる。 

 ところでラテンジャズの重要な要素の一つに、モントゥーノというリズムフィギャーがあり、これがラテンジャズ特有のグルーブ=ノリを生み出す訳だが、彼女のピアノはまさに素敵なモントゥーノに満ち溢れ、聴く者をワクワクさせるのだ。「明るく楽しい音楽なので、皆さんに元気になってもらいたいという思いです」と言う通り、夏の暑さを吹き飛ばして全国のじいさん・ばあさん、おっさん・おばちゃん、お姉ちゃんそして子供迄も、みんな元気に踊りまくれる好アルバム。我が番組からも是非推奨盤にしたいと思います。仲田美穂の『アリーバ!』是非よろしく御贔屓の程...。

【今週の番組ゲスト:ラテンピアニストの仲田美穂さん】3rdアルバム『ARRIVA』から5曲お送りします。
M1『Mas Que Mada』
M2『上を向いて歩こう』
M3『Ruby Baby』
M4『El Cantante』
M5『Dorothy』

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