【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.422~18追分通信Ⅲ 祝「オーベルジュ・デュ・グルマン」始動】
ぼくが自称私設応援団を務めていた軽井沢・追分の外れにある、何とも心地良いカフェスポット「カフェ・グルマン」。元外資系広告代理店に勤めていたマスターの平井さんが、3年がかりで独力(!)で建てたパオハウス風なこのカフェは軽井沢でも指折りの好店だったが、6年目を迎えた昨年の暮れにいったん店仕舞い。新たに半年ほどかけ平井さんが自力で全面改装を施し、宿泊も出来るレストラン「オーベルジュ・デュ・グルマン」として7月28日に新たに生まれ変わった。オーベルジュとは宿泊施設も持ったレストランと言った意味合いで、教養のないぼくなどは仏語なのでてっきりフランス料理を出すレストランに...と勘違いしてしまったが、実際は以前のようにガレットをメインにしたランチメニュー中心の気楽なカフェレストランといった趣きの店。オープニングの7月28日は丁度「軽井沢ジャズフェス」の本番当日、それに再開初日だけに客も込んでいるだろうとも思い、数日後にお店を訪れることにした。昨年の11月末から7か月余り、その間山荘に来たときは折を見て立ち寄りその改装進捗状況も見させてもらったが、完成したレストランそして宿泊施設は未見だけに、愉しみにお店に向かう。
店は以前のお山(浅間山)の見晴らしも抜群なテラス部分に外壁を付けるなど大幅改装しレストランスペースにしてあり、以前のあの開放感が失われてしまうのか...といささか心配だったが、窓を大きくとってあり決してそんな感じではない。食事テーブルが8つほどで定員は20人弱。今は宿泊施設に改装された以前の店内部分も入れると、前はもう少しキャパは多かったかもしれないが、改装後は丁度いい塩梅。
午後1時に行ったのだがお客は誰も居ずいささか心配だったが、15分ぐらいすると犬連れ客などが集まりほぼ満杯になり一安心。今までは平井さん一家で切り盛りだったが今度は新たに可愛らしいウエイトレスさんが1名加わり、彼女が客接待で娘さんが調理、そして平井さんと仏語通訳者でもある奥さんが全体の統括と言った感じ。スープなどの前菜、メインのガレット、そしてデザートにドリンクと言ったガレットランチコースがメイン料理で、それぞれ4種類ほどから選べる形式。料理を待っている間に平井さんが席に来てくれた。開口一番「どうにか7月中に間に合って良かったですよ...」と言われる。時折のぞいた際に、はたして7月末に間に合うのかいささか心配な感もあったが、そこは熟練カーペンターの平井さん。きっちり纏めて内部の改修造作も仕上げはほぼ完ぺき。店内も大きな窓もあって明るくお山から御影用水周辺の見晴らしも申し分なし。
「開店からようやくひと段落ですが、オープニング数日はてんてこ舞いで、お客さんにも迷惑おかけしてしまったかも...」といささか恐縮の体。ぼくはオーソドックスにそば粉のガレットコースを頼んだが、娘さんの腕前も以前より上がっているのは間違いなく、どのランチメニューも満足感たっぷり。新しい試みの宿泊施設の方だが、これは訪れた数日前に町から許可が下り宿泊受け入れに動き出すと言った感じで、今月末ないし9月初めの始動を考えていると言うこと。一日2組限定(4人まで)と言う宿泊客が泊まる2部屋も見せてもらったが、平井さんと奥さんのセンスも加味され、中々に小洒落たロフト風お部屋で、若い女性好みのものに仕上がっている。どんなお客が来るのか楽しみでもある。
昨年御影用水脇に出来た有名ドッグホテルは、流石の超一流お値段でそれを聞いて本当にビックリ。今は亡きバカ犬ピーちゃんには絶対に泊まらせられなかったなーと感嘆しきり。新しい宿泊施設は犬連れも歓迎の様だが、リーズナブルな値段設定にしますよと平井さんは約束してくれた。お店の看板や名刺のマークは平井家の一員の秋田犬を写したもの。知り合いのデザイナーに作ってもらったと言うそのマークも実に可愛い。


【今週の番組ゲスト:ジャズベーシストの藤原清登さん】
ご自身のレーベル「GARUGANTUA」からリリースされたアルバム「I'll Catch the Sun」「Koffee Crush」から
M1「I'm A Believer」
M2「 Lo Straniero (Ihojin / Saki Kubota)」
M3「Davide's Fountain Pen」
M4「20th Century Boy」