【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.790~試写会~】
本当に何年ぶりと言った感じなのだが、久々に映画の試写会に顔を出した。もうすぐ無くなる銀座の東映試写室で(本社移転のため)、作品はこの秋を飾る話題作の「宝島」。監督はNHK出身の気鋭監督~大友啓史(「るろうに剣心」など)で、主演は妻夫木聡と広瀬すずと言う豪華な布陣である。
この作品は直木賞を獲得した真藤順丈原作で、アメリカ統治下から日本返還までの激動の時代の沖縄を舞台にしたもので、その時代の青春を駆け抜けた、若者達の群像図が描かれる。「テイスト・オブ・ジャズ」がこの8月で、なんと60年目という節目に当たり、その特番を7月に1時間を超す長尺特番として放送する予定なのだが、そのワンコーナーで映画紹介のコーナーを設け、そこで取り上げる映画がこの「宝島」なのである。そうなると映画を見ないと始まらない...、ということで東映の試写室まで久々に足を運んで、映画を鑑賞したという次第。もうすぐ無くなる東映の試写室は、宣伝部の中を通っていく猥雑感がなんとも言えず面白く、ぼくの好みの試写室の一つだった。今回は本当に10年振り位の再訪で、その試写室訪問の愉しみは、依然として健在だった。
ところで我が「テイスト・オブ・ジャズ」がスタートしたのは、今回正式に判明したのだが1965年8月初めのこと。そしてこの映画は沖縄が第2時大戦後アメリカに占領された頃から、1972年の日本返還までの間に起こった、様々な事象を舞台にした沖縄関連映画で、監督は前述のNHK出身の異才、大友啓史。この力作映画は沖縄の歴史や米軍との沿革関係などが分からないと、仲々に理解しにくい面はある。だがそれを上手くまとめ上げ3時間を超える長編ながら、少しも飽きずに見せる辺り、流石に大友ならではの力量と言った感も強い。ぼく自身は大分前にこの原作を読んでいたので、登場人物の人間関係なども掴み易かったし、沖縄の戦後史にも関心があったので、映画の歴史背景もそれなりに理解出来たが、それでも人間関係など少し掴まえづらい処もあった。だが沖縄と言う日本の抱える一大注目地、その歴史や人間関係の難問に鋭く切り込んでいく、大友の力技には本当に感服する処多々だった。久々の力編登場と言ったのが率直な感想である。
この映画では戦後のアメリカ統治時代の、アメリカンポップスが幾つか使われており、それらは純粋なジャズ...と言うと些か...と言った感はあるが、当時はアメリカのポップス=ジャズと言った趣も無きにしもあらずで、ジャズ(=アメリカンポップス)と映画...と言う括りで、ジャズ特番ではまとめられそうである意味ホッとした心持ちでもある。その肝心の7月放送予定「テイスト・オブ・ジャズ60周年特番」は、多くのジャズメンやジャズ関係者がお祝いメッセージを寄越してくれる予定になっており、それらを紹介するだけで時間がキツキツなのだが、まあどうなることか...。皆様も是非お楽しみに...。
【今週の番組ゲスト:テナーサックスプレイヤーの後藤輝夫さん ギタリストの佐津間 純さん】
アルバム『Make Someone Happy』から
M1「LAMENT」
M2「MAKE SOMEONE HAPPY」
M3「GEORGIA ON MY MIND」
M4「I NEED TO BE IN LOVE」




