「テイスト・オブ・ジャズ」は、毎週日曜19:00~19:30で放送中。番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。
【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.740~蓮の花開花~】
東京など首都圏では梅雨も明けたが、どうも今年はかなり梅雨期間が短めだった感もある。その間に、野暮用もあり1週間ほど追分の山荘にいた。こちらは連日の雨で天候は余りぱっとしなかったが、東信(長野の東部地域)の中心都市、上田市にある有名な信濃国分寺の裏手のハス田で蓮の花がかなり見ごろだと聞き、小雨の中出掛けることにした。
しなの鉄道で上田の一つ手前の駅が信濃国分寺。駅の近くにはかなり大きな史跡の信濃国分寺跡があるのは、列車の窓から良く目にしていたが、これまでに実際の信濃国分寺を目にしたことも訪れたことも無かった。しなの鉄道の信濃国分寺の駅は、無人駅で人はいないので駅前の地図を見ると、国分寺跡の国道を跨いだ辺りにその信濃国分寺が鎮座しており、ハス田はその裏手と記されている。駅からは歩くこと7~8分ほどで寺に着く。奈良時代に建立された国分寺は現在の史跡位置にあったのだが、平安時代に律令制の廃止に伴い肝心の信濃国分寺も移され、かなり小さなものになってしまった...と言う、歴史の変遷を案内板で知る。そう言えば律令制、高校の頃日本史で習った筈だが、恥ずかしながらどんなものか...思い出せない。まあこれも教養の無さでしょうがないと思いつつ、寺を参拝する。全体には小振りの寺だが、境内の三重塔は需要文化財と言うことでかなりなもの。この地に信濃国分寺があるのを、今回初めて知った(史跡の方は知ってはいたが...)のも恥ずかしいことだが、この由緒ある三重塔の存在を知っただけでも価値あり...、などと嘯きながら裏手のハス田に向かう。
ハスの花はピンクや白の花々で、かなりな数があり大輪で見事なもの揃い。良くハス池に咲く...と言ったイメージがあるが、ここの蓮花はハス田に咲いている。その田んぼも結構な広さで満開とは行かないが、かなり見応えありで8月の半ばまで見ごろは続くとのこと。蓮の花といえば正に極楽浄土に咲くもので、古来から仏教画などで目にしているが、正に性善を象徴するような存在。この日もいささか雨模様だったが、かなりな人が集いかなりな賑わいで、それぞれにこの美花を愛でていた。
ところでこのハスの花、英語では「ロータス・ブロッサム」と言うのだが、熱心なジャズファンならばこの名前、あるジャズの名演と結びついており忘れ難いものであるのだ。ハードバップ期を代表する名トランペッターの一人、ケニー・ドーハム。一人で眺めていると、自然とこの名曲のメロディーが頭に浮かんできたものだった。そういえばあの頃は本当に良いメロディーのナンバーが多かったなー...と、懐かしく思い出したりもしたものだった。この曲はドーハム以外にも、多くのトランペッターが取り上げているが、ぼくのお勧めはテナーのチャールス・ロイドによるもの(『ウオーター・イズ・ワイド』2000/ECM)で、これも今聴いても素晴らしい演奏だと思う。まあ信濃国分寺で、ハスの花の開花を拝めただけでも、善きことと思えるのは真に嬉しい限りです...。
【今週の番組ゲスト:ジャズボーカリストの斉田佳子さん】
新譜『Back In Time To Boston』から
M1「Come Rain Or Come Shine」
M2「I Can't Make You Love Me」
M3「Walk Around Liberty Hill」
M4「Stranger In Paradise」





