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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週日曜18:30-19:00(本放送)ほか、木曜22:30~23:00で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.516~YouTube】

  非常事態宣言は解除されたが以前蟄居生活は続く...こうなるとやはり生活に変化も求めたくなってくるが、こんなオールドボーイはそう遠出が出来るものでもない。まあGWには水道管修理の立ち合いの為、追分の山荘に数日いたのだが...。それ以外は完全蟄居生活で室内生活。と言うことで読書やアルバム鑑賞・整理と、特に目新しくもない趣味生活となってしまうのだが、このところメールやフェイスブックなどで連絡が絶えないのが、ミュージシャンやシンガーによる無観客ライブのお知らせ。大部分は休業中のライブハウスからの中継と言う形だが、中には自宅からの中継ライブと言う形もある。ミュージシャンにとってもライブハウスにとってもここは死活問題で、無観客ライブながらも追い銭方式で観客(参加者)からフィー(対価)を募ると言った形式も多いようだ。

  ぼくが最初にこのライブに気が付いたのは、NYの自宅からソロ演奏の模様を送ってきたピアニストのフレッド・ハーシュだった。今やジャズピアニストの頂点に立つ一人でもある彼は、長い間難病(エイズ)のせいで入院生活を余儀なくされていたのだが、ようやく復帰すると今度はコロナ渦。ただその旺盛な表現意欲に促され、自宅でのソロを世界中のファンに...と思ったのだろう。病のため頬も扱け全体に生気は乏しいがその演奏は実に美しいもので、10分強の短いものだが充分に心打たれるものだった。その後も何回か彼は発信を続けてくれたが、その初回は確か2月の初め頃で、まだ日本ではライブ中継はそうなかったと思う。それが東京をはじめ全国に非常事態宣言が出され、首都圏のライブハウスも休止、ライブスケジュールも取りやめか延期となると、次々と演奏家や歌手達がライブハウスから無観客のライブを敢行、「今夜の8時からですからチェック宜しく...」といったお知らせが届くようになり、2つ3つ重なることもざらで、どれを見ればなどと悩むこともある。だが出来る範囲でなるべくお付き合いをしている。「セイブ・ザ・ジャズ」「セイブ・ザ・ライブハウス」の精神である。 
 
 ベースの井上陽介、オルガンの土田晴信、ピアノの小曽根真、岩崎良子、サックスの竹内直等々、それぞれに画質や音質、更に映像処理の問題など課題も多いのだが、それぞれが工夫をしてそれなりに雰囲気を出している。特に土田君はオルガンも自身で修理してしまう程メカにも強いだけに、見事な画面・音声処理で愉しませてくれる。まあこうした音楽家達の努力が早く実を結び、コロナ禍以前の日常に戻る日が来ることを切望している。
 

  こうした無観客ライブと並んで今関心があると言うか...、ある意味嵌っているのが、ユーチューブでのジャズ関連ライブ鑑賞。あるミュージシャンの資料を調べる為にユーチューブを見ると、それの関連映像が次々と出てきて止まらなくなってしまった。ユーチューブの出初めの頃にも、一時そんなマイブームがあったが、それがこのコロナ禍の蟄居生活でぶり返してしまったのである。どうしてもファニア・オールスターズやエディ・パルミエリなどのラテンジャズ関連が多いが、今シーンのメインを担うロバート・グラスパーの「ビレッジ・バンガード」でのトリオライブ(1時間半以上の長尺もの)などニューチャプターもの、それに我らがヒロイン、上原ひろみのトリオライブ等々、見始めるとやめられないし、画像があるのはやはり一段と興味をそそられる。そんな中で興味深かったのは、あのスティングの歌うスタンダード集。これは編集ものの様だがスティングがジャズスタンダードを歌った幾つかのライブ映像をまとめたもので1時間近い内容。そしてそのスティングの十八番「フラジャイル」を、パット・メセニー、マイケル・ブレッカー、ジョン・パティトッチなどオールスターメンバーで取り上げている、ジャズフェスライブの映像も素晴らしいものだった。マイケルがまだ健在なので10年以上前の映像だと思われるが、メセニーやマイケルの演奏がなんとも凄い。スティングを見ていて偶然見つけたものだが、これは儲けものだった。こんな思いがけない楽しみがあるからユーチューブ漁り、止められないんですね。


【今週の番組ゲスト:フルーティストの佐々木優花さん】
5枚めのリーダー作『Humanbeans』をご紹介
M1Humanbeans
M2Reflection in water
M3「さくらさくら」
M4Someday my prince will come

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