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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.257~カシオペア・野呂一生】

  この「テイスト・オブ・ジャズ」は、もう50年以上の歴史を誇るギネスもの音楽番組なのだが、その出演者と言うと、やはりそこには人の縁と言うものが強く働いている感じもある。この番組には、日本のジャズメンのうちサダオさん(渡辺貞夫)以外は、殆どの人が一度は登場しているなどと結構自慢げに語っている訳だが、実際には一度もスタジオに来ていない人も、サダオさん以外でも当然いる。その代表格が人気フュージョンバンド「カシオペア」~現在は「カシオペア3rd」だが、そのリーダーでギタリストの野呂一生さん。ぼくが余りフュージョン好きではないと言う事もあり、そんなに無理して出演オファーを図らなかったのが、彼がこれまで登場しなかった最大の理由。それにはカシオペアのスタッフに知り合いがいなかった事もかなり大きく関係している。ライバルバンドとも言える「スクエアー(スタートはT-スクエアー)」は、このコラムでも時々登場していたヤソさんこと故伊東八十八氏が立ち上がげから関係していただけに、伊藤剛などスクエアーの面々はそのデビュー時から良くスタジオに遊びに来ていたものだった。

 一方のカシオペアにはそんな人もいなかっただけに、ノーギャラのこの番組ではなかなか声が掛け辛いと言う事情もあった。但しカシオペア3rdの他の面々、天下の手数王、ドラマーの神保彰、最近加入の紅一点、オルガン&キーボードの大高清美、そしてナルッチョことベースの鳴瀬よしひろと言った面々は、自身のリーダー作を出した時にはスタジオに登場しており、これまでに一度もそういう機会が無かったのが、リーダーの野呂一生だったのである。

 それがひょんな縁でバンドの新作を携え、今回番組初登場と言う事になった。『ASOBO』とタイトルされたその新作は、ジャケットもメンバー全員が遊園地で愉しげに遊んでいる姿が、ポップに描き出されており、中身もそのとおりの遊び心に溢れた愉しいもの。このアルバム4月末に既に発売されており、CDショップやアマゾンチャート等全ての部門で第1位を記録。彼らの人気が如何に凄いものかと言う事を改めて実感させてくれたのだが、当のリーダー野呂氏はそんな人気とは無縁の、かなり物静かで落ち着いた紳士。前もって此方が持っていたイメージとは、大分違っていていささか面食らったが、50数年の歴史あるジャズ番組と言う説明をすると、そんな番組に招かれるとは...といたって丁重。特にほかの面々は一度は番組に来ていると言うと「それは知らなかった。今回出れて光栄です」と言う嬉しい返事で、すっかり彼のファンになってしまった。

 番組では今回の第3期のカシオペア誕生の経緯、この新作の自作紹介など、かなり色々と率直に語ってくれており、このバンドのそんな熱心なファンでもないぼくも興味深いものだった。一方学生時代が彼らの全盛期と言う山本アナはかなり興奮気味、いささか揚がっている様子も見えたが、2人の愉しい会話は弾んだ。アルバムはCDにかつてのヒットチューン10数曲を演奏したボーナスDVDも付いており、これならばアルバム・チャートのトップを邁進するのも当然と言ったおトクもの。皆さんも是非お買い求めを...。 

 野呂さんはこのカシオペア3rd以外に、自身のギターをフューチャーしたユニットも持っており、そちらも今年の秋にはアルバムを発表する予定とのこと。その折には是非またスタジオに呼んで欲しいと言われ、二つ返事でOKを出した。好漢との不思議な縁が今回生れることになった。

【今週の番組ゲスト:カシオペア3rdの野呂一生さん】
2ndアルバムの『A-SO-BO』から4曲ご紹介します。

M1『MODE TO START』

M2『CATCH THE WIND』

M3『FEEL LIKE A CHILD』

M4『ARMFUL

 


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