【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.781~森山良子オンステージ~】
開始前は何やかんや言われた今回の大阪・関西万博だが、いざ始まってみるとどうにか廻っているみたいで「行ってみると、それなりに愉しかった...」等と言う好意的意見も多いようだ。これは日本人特有のお祭り好き性向も影響しているのだろうが、この所全てに沈滞気味の日本にとっては、まあ良かったのでは...と言った感想でもある...。
それにしても50年ほど前の前回の大阪千里で開かれた万博、これは実に凄かった。すさまじかった。確かぼくが日本短波放送(現ラジオ日経)に入局した年の開催で、取材も兼ね意気洋々と取材パスを首からぶら下げ、同期の仲間数人と現地に向かったものだった。本当に凄まじい入場者数で、入り口は大渋滞。そんな中、取材パスを見せ報道入り口からスムーズに入れることが放送局に入った、業界人の仲間入りした...として、全員が実に誇らしい気分だった。いくつかの取材も頼まれていたのだが、新人で取材など覚束ない上に万博の万余の観客。ほとんど何もできなかったが嬉しかった覚えは今も残っているし、金も無かったので大学同期の毎日放送の新人アナのアパートに数人で転がり込み、数日過ごしたのも今となっては懐かしい思い出でもある(そのアナウンサーも先日亡くなってしまったが...)。
そんな前回の万博は開催イベントも豪華で凄かった。ことジャズに関して言えば「ヨーロッパ・オールスターズ」と称して欧州の代表的ミュージシャンが大挙来日、イギリスからサックスのジョン・サーマン、フランスからはヴァイオリンのジャン・リュック・ポンティ、ドイツからはトロンボーンのアルバート・マンゲルドルフ、そして欧州きっての歌姫カーリン・クローグ等々、まさに欧州を代表する面々が一堂に揃って万博ステージを飾ったものだった。このステージは確かドイツのレコード会社がレコーディングしておりアルバム化もされている筈。探したが今手元には見つからないが、ぼくも持っておりその内容も素晴らしいものだった。
そんな前回のジャズコンサートとは規模こそ比較にはなら無いが、今回もステージでは多くのコンサートもある様で、その一つが森山良子が久々にジャズを歌うコンサート。フルバンドをバックに唄うステージで、これは現地ではかなり話題になったみたいある。元々歌手志望の彼女は、ジャズを歌いたいと思っており、それがひょんなことからフォークシンガーとしてデビューし、たまたまヒットしてしまったと言う経歴の持ち主。彼女の父親は森山久と言う日系二世のジャズトランペッターで、戦後のジャズ隆盛時に活躍した人。叔父のディーブかまやつ(かまやつ・ひろしの父親)もジャズシンガーと言うジャズ一族なので、子供の頃からジャズに浸って生きてきた生粋のジャズレディー。彼女が20年前ぐらいに出した「ジャズシンガー」と言うジャズアルバムは、日本のジャズボーカルの名盤の一つとぼくは思っているし、多くのジャズ人からも評価の高い1枚。その彼女が今回の万博のステージに立ち、「この素晴らしい世界」等数曲を熱唱し、大喝采だったと聞く。まあ万博には殆ど興味なしだが、彼女のジャズステージは見たかったなー。東京でもやって欲しいなーとは切に思う。まあ万博がどうにか無事終了してくれることを、今は願ってはいるが...。
【今週の番組ゲスト:熱帯JAZZ楽団のパーカッショニストでヴォーカリストのカルロス菅野さん】
『カルロス菅野 SINGS! with 熱帯JAZZ楽団II~30th Anniversary~』より
M1「BEYOND THE SEA」
M2「NEW YORK STATE OF MIND」
M3「ROUTRE66」
M4「JUST THE WAY YOU ARE」




