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テイスト・オブ・ジャズ

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テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.359~私の好きなジャズ】

  この1年間、毎月最後の「テイスト・オブ・ジャズ」の時間は、ジャズ評論家の青木和富氏による100年を超すジャズ史のおさらい=ジャズのお勉強を続けてきたがそれも先月で終了、5月からは和富の「ジャズ・トーク」と言うことで、毎月テーマを設定しそれに関連したジャズナンバーを紹介して行く、言わば「耳で聞くジャズエッセイ」と言う趣きの企画を1年間を目途にスタートさせることにした。
 今月はまずその第1回で、そもそも青木和富とはいかなる趣向の男なのか...と言うことで、「私のジャズ経歴書」と言う内容でお送りすることになった。青木氏が選んだ5曲は別項にも記してある通り。まず最初は鈴木章治の「鈴懸の径」で、これはジャズと言うよりもポップスとして、戦後ぼくらの子供のころに大ヒットした和製ナンバー。ここから彼のジャズ人生がスタート、そしてラジオ全盛時代にジャズ番組と言えばこれ...と言った感じで、多くのジャズビギナー達(僕も当然その一人)がこぞって聴いた、ラジオ関東でDJのモンティ本田さんが真夜中にオンエアーしていた人気番組「ミッドナイト・ジャズ」のテーマ曲、ドラマー・チコ・ハミルトン・グループのエキゾチックでミステリアスなジャズナンバー「ミッドナイト・サン」。そして3曲目は青木氏が初めて評論を記した記念すべきアルバム、前衛派の闘士アルバート・アイラ―の代表曲「ゴースト」。そして70年代に全盛を迎えたフュージョンミュージックの代表格、アルト奏者デビット・サンボーンの「ウエイ・アウト...」。そしてラストにもう1曲、現在のクラシック界を代表するヴァイオリン奏者、クレーメルが奏する喜劇王チヤプリンが自身の映画の為に書いた「スマイル」。この5曲それぞれの曲についての彼の想いは、番組でじっくりとお聴き頂きたい。


 さてこのジャズ履歴書は、ぼくからのリクエストだったので、一応ぼく個人の5曲もここで一寸紹介しておきたい。

①MJQ「ジャンゴ」

②アート・ブレーキ―&JM「チュニジアの夜」

③マイルス・デイビス「マイ・ファニー・バレンタイン(リンカーン・センター・ライブ)」

④ゴンサロ・ルバルカバ&チャーリー・ヘイドン「ノクターン」

⑤カーリン・クローグ「これからの人生」

まあざっとこんな感じか...。こう並べると実に物わかりの良い常識的な旋盤になってしまったが、やはり5枚(曲)は中々に難しいところで、これは致し方ない所なのか...。一寸付け加えるとMJQ=モダンジャズカルテット、この典雅なバロック風室内楽ジャズグループによって、ぼくは高校1年の時にジャズ(モダンジャズ)開眼を果たした。周りには誰一人ジャズ好きなどはおらず、孤独にジャズ鑑賞を深めていった若き日だった。ブレーキ―&JMは日本のジャズ開国を進めた黒船とも言える重要な存在で、この「チュニジア」でのメンバー全員によるエキサイティングなラテン系打楽器クラベスの殴打(クラーベ)は、後になってぼくをラテンジャズの蠱惑の世界へ導くきっかけにもなっている。帝王マイルスの演奏は余りにも有名な究極の名演。キューバのピアニスト・ゴンサロ・ルバルカバとベーシスト、故チャーリー・ヘイドンとの共演は、メキシコのボレロを演奏した素晴らしい作品。このサウダージ感(郷愁)、涙なしには聴けません。そしてラストは北欧の名花、カーリン・クローグが世界的な映画作曲家、ミッシェル・ルグランの銘品を歌い綴ったもので、ぼくのボーカルの1枚はこれで決まりです。それほど彼女の感情表現に惚れ込んでいるのです。
 
と言った感じで何れまたぼくのお好みナンバー、お気に入り盤については、書き記すことがあると思います。その時までまた...。


【今週の番組ゲスト:音楽評論家の青木和富さん】
今週から毎月最終土曜日は新シリーズ 「ジャズトーク」をお送りします。 
M1「鈴懸の径 / 鈴木章治」
M2Blue Sands / Chico Hamilton
M3 Ghosts / Albert Ayler
M4'Way' Cross Georgia / David Sanborn
M5Smile / Gidon  Kremer 
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