【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.784~アメリカ民主主義~】
老舗のポピュラー音楽雑誌「ミュージック・マガジン(旧ニューミュージック・マガジン)」は、ポップスの全ての領域を網羅している音楽誌として、今も音楽ファンからの支持が高いものだが、2025年5月号を見ると、巻頭特集は「揺れるアメリカと民主主義」というもの。やはり音楽誌でも、今はこうしたテーマを掲げないとならない程、アメリカ民主主義の危機、ひいてはアメリカ文化の危機が迫っているという認識を、如実に表していると言えそうだ。
そのトップの記事でアメリカ在住の邦人音楽ジャーナリストの人が、アメリカの第2次トランプ政権下ではまだ序盤というのに、もう見えない形でトランプ自身にアンチを掲げる大学やマスコミなどに対する、言論封鎖・統制...と言ったものが目立って進んでいる様で、それに対するデモなども多発、全米の何処かで毎日デモが繰り広げられているともいう。一方アメリカ在留の邦人ジャーナリストも、政権の見えない強硬策に対し積極的な発言を控える人も増えつつ有り...、これは他のアジアや中南米、アフリカからのジャーナリストになると、本国送還などの強硬措置も考えられる...だけに、もっとその傾向が目立つようだとも指摘している。
トランプの強固支持層にとっては、まあアイビー・リーグの諸大学や色々なマスコミなどがどうなろうと知ったことではないし、ある意味目の敵でもある。トランプ帝国実現のために、かえって良かれ...とも思っている向きも多いのだろう。実に由々しきことだし心配でも有る。トランプ任期もあと3年以上、その後のアメリカがどうなってしまうのか、アメリカンデモクラシー=アメリカ民主主義の未来、本当に心配である。
こうした苛立ちと危機感が、今回の「ミュージック・マガジン」特集になったのだろうが、その危機感はジャズを含むアメリカのポップミュージックにも大きな影響を及ぼしつつあるようで、そこら辺についても様々な書き手が述べている。トランプは自身及び強固な支持層達が気に入らない、音楽を含むアメリカの文化全体をも徐々に消し去ろうと図りつつ...。げに恐ろしきことである。それにしても日本ではミュージシャンやシンガー、さらには俳優や芸能人などが、政治や政権などについて語ること、特に少しでも批判するようなことがあると、SNSなどで大叩きする傾向も強い。門外漢は黙っていろ...という有る種の脅迫で、一方政権をヨイショすれば大喝采...と言った趣きにもなる。全く酷いものである。瘋癲チャンジー(爺さん)の心配の種、いつになっても尽きません...。
【今週の番組ゲスト:ピアニスト・作曲家の石井彰さん】
Quadrangle『Uchronia』と親子デュオ作品『Hyperbolic』より
M1「Uchronia / Quadrangle」
M2「Letter to Marie / Quadrangle」
M3「écru / Quadrangle」
M4「Hyperbolic / 石井彰・石井智大」
M5「TSUYURI / Quadrangle」





