「テイスト・オブ・ジャズ」は、毎週日曜19:00~19:30で放送中(再放送は毎週金曜日 18:30~19:00 ※特別番組放送により休止の場合あり)。番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。
【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.676~小沼&貴奈】
最近はデュオのアルバムを聴くこともしばしば...。そんな折良く手にする1枚が、ギターの小沼ようすけとピアノ&作曲家の宮本貴奈と言う売れっ子どうしのユニット~「ダブル・レインボー」が、13年に出した『ボヤ―ジ』である。テクニシャンどうしながらも良く気心知れ合った仲なので、実にリラックスした知的で洗練された素敵なデュオを聴かせてくれる。気持ちの良いオーガニックな音楽なのである。
そのようすけ&貴奈の「ダブル・レインボー」が、久しぶりに新作を出すんですけれど...と音楽プロデューサーでイベンターでもある三田氏から連絡があった。となれば忙しい2人だけに直ぐにでもスタジオに...と調整し、今週の番組に堂々の登場となった。出演も久々だが、忙しい2人だけに彼ら同士も久しぶりの顔合わせらしい。一時は売れっ子のため忙しいスケジュールをやりくりしていたようすけくんも、この所は趣味のサーフィンのために湘南の地に移り住み、今はサーファー三昧なのだそうである。一方の貴奈氏はその才を生かし、色々なミュージシャンやシンガーとも共演、川崎市の大劇場の音楽監督など様々な分野で大活躍、休む暇も無い忙しい状態である。この人気者同士の2人は何と同い年、その活動は今は対照的だがどこか相通じるところもあり、互いの良さを認め合い話も実に和気あいあいとして愉しい。
今度の2枚目になる新作のタイトルは『アフター・ザ・レイン』。スタンダードナンバーの「虹の彼方に」やハービー・ハンコックの名曲「テル・ミー・ア・ベットタイム・ストーリー」、更に2人のオリジナルが5曲ほど。これにクラシックのラフマニノフのピアノ協奏曲のジャズアレンジが加わるなどと言った、バラエティー豊かな選曲・構成。2人のバイブレーションがぴったり合った心地良い音空間が、全編展開されており何とも心地良いのである。
その上ここでは貴奈氏が数曲で初めてボーカルも披露、決して上手い歌い手という訳では無いが、旨味ある歌声を聴かせてくれる。全く多才な人である。元々彼女はジョージア州の音楽都市、アトランタで長い間活動を展開、あのグラミー賞の音楽部門にもノミネートされるほどの腕前で、注目の存在だったのだ。その彼女の歌声を、同い年のようすけがハートウオーミングにフォローしていく。何とも嬉しい光景が現出される。この2人年齢は同じではあるが、貴奈が姉御肌でようすけは末っ子気質。なにかと彼女が仕切る訳だが、そこら辺のバランスも実に面白い所。「サーファーだけでなくギタリストとしてももっと頑張らないと...」等と貴奈が注文を付けると「分かりましたよ...」と弟分が応えると言った感じで、気持ち良く話が進んでいく。その案配もまた抜群で、実に愉しいトークセッションが実現した。
ようすけ&貴奈~ダブル・レインボーの『アフター・ザ・レイン』、実に愉しくも美しいアコースティック・ミューシックで、2人のクロストークもまた抜群です。皆様も是非お聴き逃しないように...
【今週の番組ゲスト:Double Rainbowのお2人 ギタリスト小沼ようすけさん ピアニスト宮本貴奈さん】
2ndアルバム『After the Rain』から
M1「The Unchanging Road」
M2「Tell Me a Bedtime Story」
M3「Ying-Yang Fermata~陰陽 Fermata」
M4「It Could Happen To You」