【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.778~桜守~】
桜前線も北上し始めており、今はどこら辺まで到達しているのか...。桜の街でもある我が国立の街では、3月末の底冷えの影響などもあり、例年よりも遅くまで、大学通りの桜並木は咲き誇りを頑張っていたのだが...。国立で1年で最も華やぐのはこの桜全開時で、街は花見客で埋め尽くされる。この桜の満開時期は、東信の軽井沢、信濃追分や小諸などでは、都心に比べると例年3週間ほど見頃も遅い...。それだけに佐久市郊外の農業試験場の広大な敷地の美しい桜並木は、今頃満開かもしれない...。ここで桜並木をバックにお山(浅間山)を眺めるのは、実に美しくも夢心地もの。今年も体験したいと思うのだが...。
ところでこの桜、日本では桜並木と言うと、その種類は殆どがソメイヨシノ。満開時は見事だがその時期は短くすぐに散ってしまう。その散り際の見事さ...が、日本人の心情にピッタリ...という事で、桜は最も日本人に愛される花...なのだが、その肝心のソメイヨシノの寿命が近づいているのだと言う。桜の寿命は100年ほどと言われるが、全国各地で植え始めて丁度1世紀近くが経ち、老齢化が心配されているのだ。自身の人生も考え合わせると、桜と人生にはなにか感慨深いものもあるのだが...。
実際国立の大学通りの桜並木を見続けると、ぼくが初めてこの街に引っ越してきた半世紀ほど前に比べ、樹木自身も元気が無い感も強いし、花の華麗さにも陰りが出ているのも間違いない。こうした国立の桜の元気さを守るために「花守」と称する桜の番人達がいて、桜の保護に努めている。早大ジャズ研仲間で、国立の稲門会(早稲田大OB会)会長をやっていたHくんも、園芸好きでこの国立「花守」の一人である。亡くなった彼の親父さんは東大農学部の教授だったが、その血を受け継いでいるのかも知れない。彼は使命感に燃え、かなり熱心に桜並木の保護活動などに励んでおり、その活動は地道で中々に大変なもの。下草刈りなどの場面に出くわすと、頭が下がる想いもするのだが...。まあこうした桜守は全国各地に居て、彼らの地道な活動によってどうにか、全国の桜並木も守られているのだろうから、彼らに感謝の念しか無いし、その保護活動には少しでも協力しないとならない。全国の桜守の方達、頑張って欲しい。
ところでこの「桜」。ジャズ曲として取り上げられることは、殆んど無い。桜の花自体が、まあ日本や中国などのアジアの花という認識なんで、仕方ない面もあるが、唯一と言って良いのが「チェリー・ピンク&アップル・ブロッサム」という曲。マンボ王と謳われたペレス・プラド楽団によるこの曲は、日本でも大ヒット。確かぼくの小学生時代のヒット曲の筈だが、トランペットによって朗々と奏される、このメロディーは今でも直ぐに思い出せる程。プラド楽団によるマンボ演奏がこれのベストだが、ベースの弾き語り...と言う少し変わった趣向で、一時かなりな人気を博した、美形のニッキ・パロットの「さくら・さくら」というアルバムでは、あの童謡の「さくら・さくら」と共にさくらの代表的ナンバーとして、彼女がベースを弾きながら歌っており、仲々の出来栄である。それにしても桜の花、何時までも美しく咲き誇って欲しいものですね...。
【今週の番組ゲスト:ジャズボーカリスト 伊藤君子さん】
20thアルバム『Memories』から
M1「The Way We Were 追憶」
M2「The Island」
M3「How Do You Keep The Music Playing?」
M4「So Many Stars」




