「テイスト・オブ・ジャズ」は、毎週日曜19:00~19:30で放送中。番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。
【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.773~本が読めない~】
中央公論社の「新書大賞2025」は、今話題になっている気鋭の文芸評論家、三宅香帆による「なぜ働いていると本が読めなくなるのか...」(集英社新書)に決まったと聞く。この本そのタイトルだけでも中々に魅力的で「読んでみようかなあ...」という気にはなっているのだが、生来の無精体質もあって未だ実際には手にとってはいない。それにしてもあの新書にも大賞が設定されているとは今回始めて知ったが、「本屋大賞」などと並んでこの賞もまた、数多ある新書選びの指南役としてそれなりに意味があるものだろうとも思う。
ところで個人的なことを言うと、このところ本が読めなくなっている。ぼくは以前から実用書や新書等は殆ど読まず、読むのはもっぱら小説の類。それもハードボイルド探偵ものがメインで、その他は恋愛ものやエッセイなどや絵本...といささか偏っている。まあ音楽関連の書籍は、ガイド本やエッセイ、評論など、仕事の関係もあり読まざるを得ないものも多いのだが、読書の大半は小説である。以前まだ局員だった頃は、仕事持ちだが結構な読書量を誇っていた。これには仕事関係で読む本も結構あったし、意欲も旺盛だった。しかし今のようなチャンジー(爺さん)年令になると、読もうという意欲はあり、読まないと...という意識も強い。そのうえ余り趣味も多くないので、暇な時には近くの公立図書館へ...ということも多く、結構本を借り出し、自宅で読書三昧...などと洒落込むのだが、いざ読み出すと続かない。長編など大作の小説などは読み出すものの読了することも少なくなっている。もっと最悪なことには以前読んだ本のプロットなどをコロッと忘れてしまい、途中迄少しも気づかずに再度読み進めてしまうことも多々なのである。「あ、そう言えばこのヒロインどこかで...」などと思うと、まず以前に読んだことのある本...などということも結構なのだ。全く恥ずかしい。
もうこうなると「働いていると...本が読めなくなる...」のではなく、チャンジー、チャンバー(婆さん)世代は、本を読むのに適さない...となってしまうかも知れないが、それでも一応知識欲だけは旺盛なので、読書習慣は止められない。「このセリフどこかで...」などと思いつつ、何回か同じ本をめくるなどという泣き笑いを経ながらも、どうにか面白い本にありつきたい...と言う願望は消えていない。
ぼくが今殆ど全ての作品を読んでいる作家はほぼ2人。その一人は昭和の大作家、井上光晴の娘の井上荒野、現代屈指のストーリーテラーで短編小説の名手。そしてこのコラムでも何回か紹介した、関西在住で「疫病神」シリーズなどの痛快警察小説(ぼくはこの分野が大嫌いなのだが...彼は別格)を書き続けている黒川博行。この2人だけは1冊残らず読むことを決めているし、まあ実際全て読み尽くしている。だから何だ...と言われればそれまでなのだが、この2人の小説全く分野は異なっても、未だ読まれていない方には是非一読をお勧めしたい。「働いていても夢中になって読み続けられる」作品ばかりですから...。
【今週の番組ゲスト:ジャッジメントエンターテインメント代表 塙 耕記さん ソニーミュージックの能勢秀昭さん】
話題の『three blind mice プレミアム復刻コレクション』についてご紹介いただきました。
M1「慕情/ 菅野邦彦トリオ+1」(『慕情』から)
M2「身も心も/鈴木勲カルテット+1」(『ブルーシティ』から)
M3「サム・アザー・ブルース/中村照夫グループ」(『ユニコーン』より)
M4「枯葉/菅野邦彦トリオ+1」(『慕情』から)



