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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.399~お雛様ジャズ】

 年が明けたと思ったらもうすぐに3月。あまりの時の流れの速さにいささかびっくりだし、ロートルともなると知り合い死亡の報なども多く、もう後どれくらい...などと余計な心配もしてしまう。しかし3月、雪に悩まされていた今年は特にこの春の訪れが嬉しい。

 
ところで今週のジャズ放送だが、何時もは月末にオンエアーする青木和富氏の「ジャズ・トーク」、当方の都合により1週ずれて3月3日の放送となった。お雛様の日である。そこで彼が選んだテーマが「女性のジャズ」。わずか4枚で女性のジャズを語るのはいささか苦しい所だが、彼が選んだのは別項に載っている4人。納得の人選である。まずはベーシストだけでなく、シンガーやバンドリーダーしても目覚しい活躍を示しているエスペランザでこれは至極当然。続くヨーロッパのサックス奏者、ティネカ・ポスマの名前にはいささか驚かされたが、理由を聞けば納得する所。他の面々もその通りの選択だ。

 番組の中で彼が指摘していた通り、30年程前までは女性のジャズと言えばまずはボーカル、そしてピアノ、更にフルートと言った辺りで、サックス、トランペット、そしてドラム、ベースにもほとんど人がおらず、たまに女性トランぺッターやサックス奏者のアルバムが登場すると、その珍しさで話題になったものだったが、今は大違い。特に最近の日本のジャズシーンでは、女性上位と言った傾向が見られるようになっている。御大秋吉敏子を筆頭に、今や国際的なスターになった上原ひろみ、女傑の寺井尚子と大西順子、更に山中千尋、市原ひかり、寺久保エリナ等々、最近話題になっているプレーヤーは女性の方が圧倒的に多い感もある。そしてシンガーとなればこれはもう当然女性の独壇場。

 あの話題の映画「スイング・ガール」などのバンドがかなりな賑わい。そしてそのブラバンのメンバーの殆どは女性と言った具合で
そこを卒業したサックスやペットのプロ予備軍~大学のフルバンドも女性上位の傾向。となるとピアノやボーカルと言った従来の女性のジャズ分担も大きく変わっているのは当然のこととも言える。

 
「女性とジャズ」という今回の放送では、本当はジャズハープの先駆者であるドロシー・アシュビーも紹介するはずだった。だが青木氏が彼女のアルバムを見つけられず、急遽TELがあり「お前が持ってこい」とのお達し。ぼくも彼女の代表作『マイナー・グルーブ』は数枚持っている筈なのだが、こういう時に限って探してみると1枚も見つからない。と言うことでジャズハープは今回紹介できなかったが、彼女のジャズハープ作品はどれも素晴らしいもの。是非一度聴いてみて欲しいものです。そして何より女性たちの活躍、これからも更に発展していくはずで楽しみです。今後は楽器を手にした「ジャズお雛様」なども登場するかも知れませんね。

【今週の番組ゲスト:音楽評論家の青木和富氏】

M1 I know You know /  Esperanza Spalding
M2
Song For F / Tineke Postma
M3
Take The "A "Train / 矢野沙織 with 美空ひばり」
M4
「さくらさくら / Nicki Parrott

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