「テイスト・オブ・ジャズ」は、毎週日曜19:00~19:30で放送中。番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。
【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.775~私の好きな曲~】
久々に「わたしの好きな曲」を記してみたいと思う。今回の1曲はぼくが最もノスタルジックというものを感じる曲と言うことで...。その曲とは「アマポーラ」。ラテンタッチの実に美しいメロデイーを持ったポップソングで、CMなどでも時々使われているので、皆様にもお馴染みなのかも知れない。
スペイン生まれでアメリカに渡って有名になった作曲家ホセ・ラカジェが、1922年に書いたナンバーで、スペイン語で歌われたものだが英詞も付けられている。アマポーラとは花のヒナゲシを指す。1941年にジミー・ドーシー楽団をバックにしたヘレン・オコンネルのボーカルで大ヒットしたと言われ、20年代の曲でスペイン語のラテンタッチナンバーと言えば、それだけでノスタルジック感はある。だがこの曲のノスタルジック感を最高に高めたのが、名匠セルジオ・レオーネ監督、ロバート・デ・ニーロ主演の稀代の銘品作品「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」。この中で作曲のエンニオ・モリコーネが、挿入曲としてザンフィルのパン・フルートによってこの曲を使い、一躍大評判を呼ぶことになり、ぼくもこの映画ですっかりこの曲の虜になってしまった。映画も素晴らしいし、なにせこの曲が映画全体のノスタルジックな哀感を高め、言葉にならない程の素晴らしさ...。
パン・フルートと言う楽器自身も、東欧圏の民族楽器で哀愁感=サウダージ感たっぷりなもの。ヘレン・オコンネル&ジミー・ドーシーによるこの曲を、ぼくは聞いたことはないのだが、これにもノスタルジック色はたっぷりだったに違いないと思われる。スイングジャズ期を代表する歌い手、ヘレン・オコンネルによってヒットしたものだけに、ジャズ的な要素も少なくないものの、モダンジャズの世界では殆ど取り上げられない曲なのだが、先日たまたまジャズバンジョーの世界的名手、青木研~ケン・アオキのアルバムレビューをジャズ雑誌から頼まれ、そこにこの「アマポーラ」が収められており、久々にこの曲のノスタルジックさを再確認したと言う次第。この青木のアルバムでは、バンジョーとクラリネットのデュオでこの曲が奏されるのだが、後藤雅広のクラリネットと青木のバンジョウの対話が絶妙、哀感と郷愁に満ちたもので久々に心に染み、"アマポーラ"本当に良い曲だなーと再確認したものでした。
未だこの曲の存在を知らない方は、一度是非耳にしてみたら...。殺伐とした世の中で、なんとも言えない安らぎを得られます。
【今週の番組ゲスト:ドラマーの中村海斗さん】
2ndアルバム『Invisible Diary』から
M1「ENDLESS SPRING VACATION」
M2「LITTLE WARM WINTER」
M3「Part 1. HOMETOWN」
M4「Part 2. UNPREDICTABLE INEVITABILITY」





