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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日22:00-22:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.189~エルカミナンテ岡本~】

 ラジオ日経は今でこそ、第2放送を「RN2」などと称し、平日は終日音楽局(「モア・ミュージック、レス・トーク」のキャッチ)に仕立てているが、ぼくのようなOBにとっては考えられないことなのである。かつてのラジオたんぱでは、音楽番組はまさに局の網走番外地的位置付けだった。この「テイスト・オブ・ジャズ」も、少し前に登場した業界の有名人、木全信大先輩から引き継いでまさに艱難辛苦の連続。「個人的趣味の番組は止めさせろ...」などと言われ続けたもので、それを掻い潜り、時に喧嘩をしながら、今日まで続いているという次第。「お気楽に番組続けていますね...」などと、若い局員から時々皮肉を言われることもあるが、この局での音楽番組継続の難しさを知らないから...、と少しばかりむっとしたりもする。その局が今や音楽局なのだから...時代は回るのである。

 さてこうした音楽が不当に無視され続けたこの局にあって、ポップ音楽の権威が誕生しているのは特筆すべきこと。音楽メインのFM局や中波局などからは、音楽評論家やライターがほとんど登場していないのに、音楽辺境局だったラジオ日経出身のポップス権威が何人かいるのは凄いことだと思う。ただ残念ながらそうした連中は、みんな途中で辞めてしまってはいるのだが...。その一人がケルト、ギリシャ、アルゼンチンなどポップスの周辺音楽の権威、松山晋也くん。彼は局を辞めた後、今は亡き伝説の雑誌「スタジオ・ボイス」の編集長などを歴任、今はフリーの音楽ライターとしで世界を飛び回っている。そしてもう一人がエルカミナンテ(探究者)岡本の別称を持つ岡本郁夫くん。

 彼はその別称からもお分かりのようにサルサ&ラテン・ジャズの権威にして、ラテンDJとしても知られる。岡本君の本職はラジオ制作会社のお偉いさん。皮肉にも今は「RN2」制作トップを務めているらしいのだが、実は早大ジャズ研の頼もしき後輩。それだけにぼくの言うことは良く聞いてくれる、と言うよりは聞かざるを得ない立場。ラテン・ジャズ大好きなぼくなどは良く色々と教えてもらうのだが、それならば移転した新スタジオでそのラテン・ジャズ談義を...と言う事で、彼のお勧めするラテン・ジャズ・ディスクを数枚持って、スタジオに遊びに来てもらった。坊主頭で遠目にはプエルトリコの悪党にも見違える彼だが、そのワイルドな風貌もあってDJとしてももてまくりのようで、羨ましい限り。
 その彼のお勧めはキューバの超絶技巧ピアニスト、ゴンサロ・ルバルカバをメインにした今注目のラテン・ジャズ・スーパー・ユニット「ボルカン=ボルケーノ(火山)」。まさに活火山の様な火を吹くような激しい演奏が展開される快作。その他にもさすがと言えるアルバムを持参してくれた。エルカミナンテ岡本が登場するのは2月第2週のジャズの時間。ブラーボ・アミーゴ!

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