「テイスト・オブ・ジャズ」は、毎週日曜19:00~19:30で放送中。番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。
【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.770~ニューヨークのジャズ喫茶~】
先日ヤフーニュースを見ていたら、今NYでは日本風のジャズ喫茶(バー)が、結構流行っているのだと言う。そのニュースを発信しているのが、日本の記者ではなく韓国のNY駐在記者というのも、何か面白いというか可笑しい...と言った感じもあったが、実際にマンハッタンでは、幾つかそういうジャズレコードを掛け、静かにそのアルバムを愉しんだり、ジャズをバックに酒を飲んだり...と言う店、所謂日本風のジャズカフェ&ジャズバーのが幾つか誕生し、かなりニューヨーカー達に受けているのだと言う。同じ様な話をNY在住の後輩である公認会計士の星野くんから聞いた覚えがあるが、どうやらこのブーム(?)本物のようである。そうしてこのNYのジャズカフェでも壁には大量のアナログアルバムやCDが展示され、オーナーは大事そうに1枚1枚を扱うのだとも聞く。まるで「あの頃の日本のジャズ喫茶そのものじゃん...」などと思ってしまう。
もともとこうしたジャズ喫茶が日本で誕生したのは、1950年代末から60年代の初め、所謂モダンジャズブームが巻き起こった時代で、中心になる街=新宿には故中平穂積さんの「ディグ」を筆頭に、「木馬」「ポニー」等々本当にわんさかあったし、ぼくの育った中央線沿線の各街~中野や吉祥寺を筆頭にそれぞれの街に、少なくとも数軒はジャズ喫茶が存在した。ぼくも高校時代から、そうした新宿や吉祥寺のジャズ喫茶に通い詰めたものだったが、ぼくや仲間の若い面々にとっては、何と言ってもジャズアルバムが高価過ぎ手に入れ難いこと、その為ジャズ喫茶でしか本場アメリカの、新しいアルバムを聴くことが難しかった...というのが、ジャズ喫茶通いの大きな理由だった。その頃は多くの若いジャズ好き達は、NYのクラブで実際のプレーを聴くのが夢で、まあその代用としてジャズ喫茶を重宝していたのだったが、あれから半世紀その代用品としてのジャズ喫茶(バー)が、NYの音楽好きな面々に浸透しつつある...というのは何とも皮肉...と言うか興味深い現象だと言えるだろう。
そうしたNYのジャズバーの名称の一つが、「KISSA」だと言うのもまた興味深い所。どうやらこの店のオーナーがフランス人だというのも、なにか因縁めいたものを感じてしまう。NYのジャズカフェやジャズバーが、ワールドワイドなものに発展し、それにより日本のジャズ文化が、世界中から注目を集めるようにでもなれば、ジャズ関係者の一人として嬉しい限りではある。
【今週の番組ゲスト:音楽評論家の村井康司さん(フリー編集者 池上信次さん・世界文化社編集者 土肥由美子さん)】発売からわずか1ヶ月で重版出来が決まった『教養としてのジャズ』から
M1「It Don't Mean A Thing (If It Ain't Got That Swing)/ Duke Ellington」8『The Essential』より)
M2「Lester Leaps In / Gil Evans」(『New Bottle Old Wine』より)
M3「Long Yellow Road / 穐吉敏子 Lew Tabackin」(『Long Yellow Road』より)
M4「Evanescence / Maria Schneider」(『Evanescence』より)







