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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。
    
【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.242~ジャズとイスラム~】

 2月初めの日曜日早朝、目が覚め何時ものようにニュースを見ようとTVを付けると、後藤健二さん殺害の映像が流されたと伝えている。とうとう来たか...と思ったし、余りにひどい話で残念なニュースであった。大学時代アメフト部員だった彼が、どうしてフリージャーナリストとして紛争地域を飛び回るようになったかは知らないが、今どき珍しいジャーナリスト魂と正義感を持った男として、同じマスコミ人としても強く関心があっただけに残念な気持ちも強い。また自身の自戒も含め、ぼくの周囲にはこうした本源的な正義感を有したジャーナリスト(マスコミ人)はほとんど見当たらないだけに大変に寂しい。どうもイスラム国、そしてイスラム教と言うものの実態を知らないだけに、先ずかなり怖い宗教と言った認識になってしまうのだが、実際はどうなのだろう...。
 ぼくとイスラムと言えばもう30年以上前のこと、民放連の「水を大事に(しよう)キャンパーン」スポットコンテストがあり、全国のラジオ局がスポットを競作。ぼくも制作担当を命じられ、そのスポットは幸運にも全国2位になったのだが、その内容がアラビア語で水は貴重(アッチャ・バタ・ハイヤ...)と、子供に語らせるもの。バックは礼拝の音と水道管から垂れる水音。代々木八幡にあるイスラム教の大きなモスクの中で、確かヨルダン人の姉弟にその言葉を語ってもらったのだが、モスクの静謐で落ち着いた雰囲気と人々の礼拝の様子に、大変心打たれたものだった...。それだけにイスラムは安らかな宗教といった思いもあったのだが...。

 ところでイスラムとジャズと言えば、この所中近東出身のジャズメンも注目を集めており、その代表格がレバノン・ベイルート出身でパリで活躍中のトランぺッター、イブラヒム・マーロフ。彼は数年前に来日公演を行い、大きな話題を集めたが、ぼくも聴いたそのステージは、変拍子バシバシの多彩にして奇才とも言えるエキゾチックでスリリングなジャズで、新しい時代と地平を提示するものであった。彼の他にもクエートやイラクなどからも優秀なジャズメンが出現しているとの話もあり、イスラム地域はジャズの新たな注目地になりうる可能性もある。

そしてもう一つ、最近はどうかわからないが、本場アメリカ有力なジャズメンがイスラム教に改宗する例が一時期多くあってその代表格が詩人でジャズ評論家のリロイ・ジョーンズ。彼はイスラム名に改称。その他セロニアス・モンクのバンドにいたベーシスト、ジョージ・ジョイナーはアブドラ・アルマリクに変え、盲目の鬼才ローランド・カークもラサーンを名乗るなど、かなりな面々がイスラム名に改称した時代があった。黒人解放運動が盛んで「ブラックパンサー」などが積極的に活動していた60年代終り頃のことだが、それらの社会(革命)運動も抑え込まれ、行き場の無いアメリカアフロアメリカン(黒人)の怒りがキリスト教からイスラムへの改宗へと向かったものだった。なにか今のイスラム国への欧州移民2世達の想いと通底する部分も感じられ、色々考えさせられる所も多いようである。

【今週の番組ゲスト:横浜の老舗ジャズ・ライヴ・レストラン BAR BAR BARオーナーで、横浜ジャズ協会会長、そして横浜スタジアム顧問の鶴岡博さん】
M1「パーム・コート・ストラット/BAR BAR BAR ALL STARS」
」M2「コンファメーション/BAR BAR BAR ALL STARS」
M3「ザ・ブルース・フォー・バーバーバー/BAR BAR BAR ALL STARS」
M4「港町十三番地/BAR BAR BAR ALL STARS」



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