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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.292~恒例ジャズ新年会】

 
 毎年1月の末に開かれるジャズ関係者の集い「ジャズ新年会」が、今年は少し遅れて2月の休日の前夜、10日夜に新橋の「コットン・クラブ」で行われた。例年だと高田馬場の「コットン・クラブ」での開催が多いのだが、今年は会場変更で、同じ姉妹店とはいえ高田馬場と新橋では大分趣きも違う。高田馬場の裏ボスとも呼ばれ、高田馬場の早稲田通り沿いに数店の飲食ジャズクラブなどを有している茂串氏が、新橋駅から数分の一等地ビルの地下に「コットン・クラブ2号店」を出したのは数年前のこと。場所柄も大きく異なる新橋と言う土地での出店だけに、経営を心配した向きも少なくなかったが、さすがに商売人、若い女性客を中心にお客を集めており、この地の名物店の一つになっているようだ。

 ジャズライターやレコード会社のジャズ担当、ライブハウスやジャズ喫茶のマスターなどが集い、互いに挨拶を交わし合い無事を確かめ合うこの新年会、スタートしてもう10数年になるはずだが、例年は100名近い面々が集い、ミュージシャンやシンガーも顔を見せる。今年は場所が変わったのと時期も少し遅いこと、そして何より音楽(ジャズ)不況の影響で業界全体が元気を失いつつあることなどで、思ったより人が集まらなかった。
 
 しかし最長老(90才を超える)の瀬川昌久氏の挨拶でスタートするといつものように和気あいあい、日頃の業界の元気の無さもどこ吹く風と言った感じ。瀬川さんは日本のジャズ界の生き字引、先日も戦前のジャズ状況を語る本を出版されるほど元気一杯。何せ銀行員でNY駐在時代にあのモダンジャズの創始者、バードことチャーリー・パーカーの生のプレーやバド・パウエルの名演を体験した日本のジャズファン垂涎のジャズレジェンド的存在。彼は我がラジオたんぱ(現ラジオNIKKEI)とも関係が深く、以前社長をしていた安藤蕃氏の戦前のジャズSP盤を復刻して数枚組のカセットブック(時代を感じますね)に仕上げてもらった浅からぬ縁もある人物。この瀬川さんを筆頭にジャズ関係者はかなり高齢のオールドボーイの方達(ぼくも含めてだが...)、皆んなジャズ喫茶やライブスポット経営やジャズ雑誌刊行等々、それぞれが元気で頑張っている。若い人の参加がいささか少なかったのは残念だったが、それも仕方ない所だろう。宴は数時間ほど続きお開きとなったが、ここに参加している連中の何人かと話を付け、番組に登場してもらうことにした。ノーギャラと言うところが仲々に頼みづらい所だが、相手もこちらの事情は薄々感じているようで、一様に色よい返事がもらえたが、やはりその好意に恐縮するばかり。

 新年会終了後は仲の良い面々と銀座のジャズバーへと流れたが、ここもマスターがこの春にロンドンに渡ってしまい、続けるかどうか考慮中とのこと。この心地よいジャズ空間がずーっと続いてほしいと願いながら、マスターの選んだバードの名演に耳を傾けた。激しくブローするバード、ジャズの原点ここにありと言う凄みが全編に漲っており、改めてジャズの素晴らしさを実感した。ジャズってやっぱり素晴らしいですよね。
【今週の番組ゲスト:ベーシストの平石カツミさん】
M1「Into The brain」
M2「Etarnity」
M3「Freedom」
M4「Friends」

 

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