【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.842~秋田でジャズ番組を~】
このところ巨星ソニー・ロリンズを筆頭にムレさん(中牟礼貞則)など、次々とジャズの大立者達がこの世を去ってしまった。大変に寂しくも残念なことだ。そんな折一人のジャズパーソナリティーが、北国秋田の街でひっそりとその生を閉じた。岸部有三さん。
こう記すぼく自身は、彼の存在もその担当していたジャズ番組のことも、今まで全く知らなかった。だが偶然にそのニュースを知り...、自身のジャズ番組を地方で40年近く、1回も休むことも無く続けていた人がいたと知り、大いに興味をそそられ、少し調べてみた。彼はぼくとほぼ同世代で、少し年下の筈だが、亡くなったのはこの6月の半ばあたりのこと。担当する長寿ジャズ番組「ほろ酔いジャズ・ナイト」を、6月末分まで収録し終え、死を迎えたとのこと。これは放送人としても仲々の人物と思った。だがどうも彼の本職は、ラジオ屋では無くワインコーディネイターとのこと。その傍ら秋田でのジャズ普及を願い、長年ジャズ番組を担当し続けてきたという経緯。
そこで早速ラジコでそのジャズ番組を聴いてみると、50分という長尺もの(コレだけでも大変だ)。どうやら毎回あるミュージシャンの1枚(あるいは数枚のアルバム)にスポットを当て、それをじっくり聞かせるスタイル。そこに彼の豊富なジャズ知識を、軽やか・鮮やかにまぶし進めていくもので、その知的で親しげな語り口も、流石なのである。FM秋田開局と同時に番組はスタートしたとのことで、以降なんと今までに2050回も回数を重ねていると言う。これが仲々の人気を誇ると言うのも、良く分かる素敵なジャズ番組で、2022年にはその功績二より、秋田市文化賞も受賞している。
番組のTMミュージックが、ベース(レイ・ブラウンか...)をフューチャーしたものだというのも変わっているが洒脱なものと思った。これにはどうも東京での大学時代(大学名ははっきりしないが...)、学内の学生フルバンドで、彼がベースを担当していたらしい事も関わっているようである。ただその後はミュージシャンではなくワインの道に進み、その傍らジャズ番組も...ということらしいのだ。
彼のようなこうした地道で熱心なジャズリーダーの存在が、秋田のジャズを支えているのだろうし、同じ様な人は全国各地(主にはジャズ喫茶マスターだろうが...)にいるはずである。そうした人達発掘し取り上げるのも、全国媒体としての我が「テイスト・オブ・ジャズ」の重要な役割だと、つくづく考えさせられた。好漢=岸部さんの魂に、好きなワインを捧げ、心から献杯!
【今週の番組ゲスト:ヴィブラフォン奏者の松山夏子さん】
デビューアルバム「Shapes of Summer」から
M1「Relaxin' at Camarillo」
M2「花時雨」
M3「Exactly like you」
M4「Merciless Spike」




