【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.839~トランプ語録~】
何かと話題の多いトランプ米大統領だが、この処イラン情勢などでは相変わらずの日和りみ気質を暴露しつつも、国内問題では意気軒昂、自身の意見を強引に押し通し続けている。「インフレは大好き...」等と宣ってかなりな反感を買ったり、ホワイトハウスの醜悪改造、自身の肖像を描いた紙幣の発行等など...臆面もない無謀な計画を敢行、また建国記念のコンサートでは、ミュージシャンの反感を買って多くの辞退者が出たことに激怒、急遽自身の政治集会に切り替えたりと、まあ好き勝手をやり続けている。だがこうした暴挙も、キリスト教福音派とも言われる強護な支持者層からは、偉大な指導者として相変わらず熱烈歓迎のようで、その悪態も留まる処を知らない。
一昔前のアメリカ映画ならば、最も悪辣で救いのない大統領として描かれた筈の男が、実際の大統領として君臨ているのだ。あのフロンティアスピリッツと理想主義に溢れ、日本の教科書にも載った程の見事な大統領宣言を発したケネディーを生んだ国。自由と民主主義を標榜し実践した大国アメリカは今どこに...、とも強く思うのだが(ケネディーの甥もまた陰謀論者で、トランプ政権の閣僚に取り込まれているが...)、他所の国だけにもう如何ともし難い...。それにしてもXなどに巣食う、我が国のかなりな数のトランプ信者達は、この処余り元気無くどうしたのだろうか...。
反面トランプがこれだけやりたい放題で、誰も逆らえないとなると、何かその言動も逆に説得力する帯びてくる感じもしてしまうから、なんともまか不思議でもある。政治家には「丁寧な説明が必要...」などと学生時代に教わった、あの民主主義の根本原則も軽く吹き飛ばしてしまうトランプ語録。その言動を真似して受けに行っているのが、我が国の首相という構図もありそうだ。肝心の政治の実施中身は何も言わずに、ただ「わたしに任せなさい...」と言う、短フレーズで二者択一を迫り、もの知らずな世間の連中を巻き込んだ彼女も、このトランプ語録の実践者のようだが、それだけに今どんどんボロが出つつあるのは困った処だ。正確さや誠実さ、品格等というものはどこ風、ただただ対立する相手を罵倒し、心地良いキャッチフレーズを垂れ流す。最近は実行する政治の中身や政治家の人格などでは無く、単にタイパやコスパを重視した、耳に心地よく響くこの「キャッチフレーズ政治」が、日米だけでなく世界中で横行しているようにみえるが、この先どうなってしまうのか...。老い先短い瘋癲ジャズチャンジーの小生でも、痛く憂慮するところです。
それにしてもアンチジャズの筆頭格とも言えそうなトランプ(対立候補のカマラ・ハリスはかなりなジャズフリークだった)が計画した周年記念コンサート。ジャズ関係者の誰もが、それに共鳴しなかったのは、なんともホッとした処でもあります。本当にジャズの良識ここにあり...。そんな感じですね。
【今週の番組:ベーシスト井上陽介さん】
新譜『Who's Who』から
M1「Darn That Dream」
M2「 Beautiful Love」
M3「 Someone to Watch Over Me」
M4「Hisaʼs Feeling」




