【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.829~Jジャズの拠点が...~】
Jジャズの拠点が...などといかにも思わせ振りな書き出しだが、実際このジャズニュースを4月の初めに耳にした時は、本当にびっくりしてしまった。それも1つではなく2つも続いて...なのだから、そのショックの大きさはお分かり頂ける筈。まあこのショッキングなニュース、J-ジャズの動向に関心を寄せているファンの方ならば、何を言わんとしているかは、もう直ぐにお分かり頂けると思う。
その一つは、故中平穂積氏がオーナー(現在は息子の塁くんが継いでいる)の、新宿屈指のジャズ老舗店「DUG」が、この6月末に閉店してしまうと言うニュース。そして今年の秋口(9月頃)に、これもやはり老舗のジャズライブハウス、渋谷「ボディー&ソウル」が閉店してしまう...と言う、ショッキングなニュースである。ダグとボディー、この2店ともJ-ジャズの需要な拠点だし、大きな影響力を持つジャズ店なのである。全く残念としか言いようがないが、新宿「ダグ」の方は店の入っているビルの建て替えに伴ってで、一方「ボディー」の方はコロナ禍による営業的な苦境と、オーナーの関京子ママの高齢化...に伴う様々な問題で、閉店を決めたとのこと。このジャズニュースが最初に流れた時は、結構ジャズ関連でエイプリルフールに伴う冗談話題も出るので、そうしたものの一つかと思ったのだが、さにあらずでどちらもモノホン(本もの)、そのショックも実に大きかった。
新宿「ダグ」の方は、正にぼくのジャズ人生を導いてくれた店の一つで、大学時代から良くここでジャズ修行をさせてもらった。大学帰りにクラブ仲間などと店に寄ると、声の大きなぼくはしょっちゅう中平さんから注意を受けたもの。その後彼と親しくさせてもらってからは、良くその話題でからかわれたりもした。中平さんは日大芸術学部写真学科の卒業生で、学生時代からジャズ喫茶オーナーの傍らジャズのフォトグラファーも努め、様々な素晴らしいジャズ写真をモノしている。一時は新宿でジャズライブハウスも経営、そこでのライブアルバムなども何枚かあるが、10年弱でそれは閉め、ジャズ喫茶(ハウス)一本で半世紀以上も店を継続させて新宿だけでなく日本中、いや欧米のジャズフリーク達にも、その存在を知られていた名店だった。中平さんには番組にも時々出演してもらったが、数年前に穂積氏は惜しくも亡くなってしまった。今は息子の塁くんがあとを継いで順調に...と思っていたら、このバッドニュース。先日も店に立ち寄ったが累くんの姿見えずで、女性店員に聞くと今日は休みだと言う。そしてその数日後に閉店を知り、なんとも言えない寂しさ、悔しさ。新宿のジャズ文化の原点とも言える「DUG」.前身の「DIG」とともに、ぼくの長いジャズ人生の良きジャズスクールで伴侶でもあったこの店、どこか同じ新宿でまた...と望むのは、果たしてぼくだけだろうか...。
一方京子ママの「ボディー」。元々青山の路地裏にあったこの小ぢんまりとした店が、渋谷の一等地に10年前ほどに進出。立地は格段に良くなったのだが、経営的には...といささか危惧もあった。それがやはりコロナ禍の影響も大きかったようで、更にママの高齢化も加わり、大変に残念な結果に...となってしまった。ママは自身のレーベルも立ち上げ、若いジャズメンのサポートなども行っていたのだが...、残念としか言い様なし。何はともあれ「DUG」は後2か月ほど、そして「ボディー」は後半年ほど、できるだけ時間を見繕って店に顔を出すつもりですが、皆様もこの2つのジャズのお店に、是非寄ってみてもらえれば...。J-ジャズの素晴らしさを味わう為にも...
【今週の番組ゲスト:歌手の渡辺真知子さん フルーティストの赤木りえさん】
渡辺真知子さんの4枚目のジャズアルバム『Amor Jazz 4〜coqui〜』から
M1「かもめが翔んだ日」
M2「黄昏のビギン」
M3「コーヒールンバ」
M4「O SOLE MIO」




