【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.828~チンさん80歳ライブ~】
還暦(60才)古希(70才)と、チャンジー(爺さん)チャンバー(婆さん)を祝う呼び方は年令によって様々だが、80才は傘寿と言うのだそうで、浅学にして今回この呼称を初めて知った。と言うのもぼくの大学入学時からのジャズ楽友で、日本を代表するトップベーシスト、チンさんこと鈴木良雄くん。彼が3月末の80才の誕生日に、横浜ビルボードライブと言う大箱で、誕生日ライブを敢行することになり、その呼び方は...と調べていると、この傘寿と言う言葉に出当たった次第。因みに88才は米寿で、これは良く知られており両方とも漢字の字体から名付けられたものである。
さてそのチンのビルボード横浜での誕生日ライブだが、300名弱とかなりキャパが大きいライブハウスでそれも昼・夜の2公演。普段はサダオさん(渡辺貞夫)ぐらいしか、この会場でライブを行うジャズミュージシャンはいないだけに、この公演が決定した昨年秋以降、同じ国分寺市内に住むチンからも連絡しばしば。心配したお客の動員では色々協力もし、実際に横浜在住のジャズ関係者も何名か参加することになった。然し一番その動員に貢献したのは、国立・国分寺両市の稲門会(早稲田大OB会)の面々。高額のチケットながらもチンのためと20名弱が参加、当日はチャンジー連中が20名弱、国立駅に集合し横浜の会場に向かった。
このビルボード横浜、ぼくは東京のビルボードライブには何回か行っているのだが、こちらは初めて行く処。値段もそれなりだしかなり遠いし...等など、普段はご遠慮してしまう訳なのだが、この誕生日ライブの司会が山本郁嬢(チンからの直々のご指名とのこと)と言うのだから、これは何をおいても...なのである。ビルボード横浜は地下鉄の馬車道駅に直結したビルの中に有り、仲々にゴージャスな会場。国立・国分寺の面々もいささか気後れしているようだが、ジャズ好きでチンさんファンだけに、大人しく開演を待つ。会場には早稲田大ジャズ研の後輩連中の顔もちらほらみられほぼ満杯で、関係者の一人としてもホッとした面持ち。
定刻の3時に山本アナが登場し、今日はチンさんの80才の誕生日ライブということを告げ、番組の宣伝も少々入れ込み、チンを始め最長老で82才の厚ちゃん(峰厚介)や本田珠也など、チンのレギュラーユニット「ザ・ブレンド」の面々を呼び込む。このユニットはチンの他に上記の2人、そしてピアノのハクエイ・キム、トランペットの中村恵介と言った、ベテランと中堅が混じった(ブレンド)ユニットで、チンのオリジナルをメインに演奏するもの。番組最多出演のチンを始め、ユニットの皆も我がジャズ番組にはおなじみの面々で、掛け値無しにJ-ジャズを代表する実力派チームである。
最初のオリジナルを演奏した後には、彼のジャズ研の1年後輩、森田一義くん(タモリ)がビデオで祝賀メッセージを寄せ、マイルスのペットは泣いているが、タモリのそれは笑っている...と言われたエピソードなど、学生時代の思い出を紹介、会場を沸かせる。全体には1時間半ほどのステージだったが、チンのオリジナルを演奏し、最後はバースデイケーキプレゼントが華を添え、アンコール1曲で閉められた。
チンはこのライブの数日前から調子を壊し、当日も開始前は楽屋で休んでいたとも聞くが、いざ演奏がスタートすると、そんな気配は微塵も感じさせない、バイタリテイーと繊細さを併せ持つ出色なプレーを展開、ドラム珠也もさすがチンさんと感心しきりだった。1時間半のライブも無事終了、ぼくはジャズ仲間と伊勢佐木町の安酒場で一杯引っ掛け、家路に就いた。良きライブでした。改めてチンさん傘寿御目出度う。これからもよろしくお願いしますね。
【今週の番組ゲスト:ベーシスト金澤英明さん】
新譜『SHOW DOWN』から
M1「The Thrill is Gone」
M2「That's Life」
M3「Special You」
M4「Hymne a l'amour」




