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テイスト・オブ・ジャズ

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テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.391~渡辺香津美】

 皆様明けましておめでとうございます。2018年新たな年の幕開けです。今年もまたよろしくお願い致します。さて新年初っ端のゲストは去年のこのコラムでもお知らせしたように大物ミュージシャンの登場、J-ジャズギターと言うよりも日本のギター界の真のレジェンド、渡辺香津美です。17歳の時にプロデビューを果たし、天才ギター少年現れるといった感じで当時一大センセーションを巻き起こし、以降は日本のみならず世界を相手に大奮闘、トップギタリストとしてその力量を如何なく発揮し続けている実力の持ち主で、真のギターレジェンドでもあります。我が「テイスト・オブ・ジャズ」には彼がまだ暁星高校生だったデビュー直後に初めて登場、節目のアルバムを発表した折にスタジオに遊びに来てくれるといった感じのお付き合いです。数年前のプロ生活45周年にはジャズからクラシック、ロックなど全ゆるジャンルのギタリストを網羅した記念アルバムを発表、渋谷のオーチャード・ホールで行われた記念コンサートにも、村治佳織や沖仁など有名ギタリストが多数登場、彼の45周年を祝福する演奏を賑々しく展開してくれました。
 
今回は2018年の当初を飾ると言うことで、ビッグネームの彼にとお願いしたら快くOKを頂いた次第。唯一条件があり昨年秋に出したウイズストリングスアルバム『トーキョウ・ワンダラー』には、「フラメンコ・レッド」「ハヴァナ」と言う2曲が、奥さんでピアニスト&作曲家の谷川公子のオリジナルで、正月と言うこともあり是非2人でスタジオに遊びに行きたいのだという。こちらとしても喜んで...と言うことで今回お2人での登場となったのです。

 この香津美&公子の夫婦コンビは、何かあのジョン・レノン&オノヨーコ夫妻を思い起こさせるところもあり何かと興味深いものがあります。天下の香津美も彼女が何か言うと意外に言い返せなく、かかあ天下の気もありそうなのです。番組でも選曲などは彼女の意向もかなり強く反映されており、そのやり取りも仲々に微笑ましいものです。アルバムは香津美氏の愛聴バラードナンバーがメインで、ストリングスをバックに華麗・甘美に奏で上げると言う趣向。オープニングがあのサンタナの「哀愁のヨーロッパ」と言う点も泣けますし、当然番組でも彼のアコギでのサンタナ・ライクの泣きのプレーが聴かれ、番組の掴みはばっちり。また奥さんの書いたナンバーを彼は優しげに引き綴っており、その技も流石の素晴らしさ。またこのアルバムにはぼくの大好きなルグラン・ナンバー「これからの人生」も収録されており、この淡々とした秀麗さは、これからの2人の生き方を象徴しているようにも思えてなりません。タイトルは東京のど真ん中、渋谷の一等地にあったタバコ屋の御曹司として何不自由なく育った彼が、愛する街トーキョウをそぞろ歩く~漂泊する様子を描きたかったのだと、自身でも語ってくれています。

 渡辺夫妻はこの1月に自宅近くの船橋市の大ホールで共演コンサートを行うことになっており、そのPRも奥さんが抜け目なく行っていました。ぼくより一世代下で高校時代から知っているだけに、今や渋く洗練された実に格好良い熟年紳士になった彼には、会うごとに驚かされますが、これからますます世界の香津美としてその名声を高めて行って欲しいものと心から願ってします。この1年が香津美本人にとって、またこのジャズ番組にとっても良い年でありますように...。
 なお来週は新春第2弾として、なんと20数年振りの登場となる、女傑大西順子女史です。どんな発言が飛び出すか...、乞うご期待!

【今週の番組ゲスト:ギタリストの渡辺香津美さん、ピアニスト・作曲家の谷川公子さん】
昨年リリースの『東京ワンダラー』から
M 1「哀愁のヨーロッパ 」
M2
「君の瞳に恋してる」
M3
「フラメンコ・レッド」
M4
「これからの人生」

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