【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.816~新宿ピットイン60周年記念コンサート~】
昨年夏に我が「テイスト・オブ・ジャズ」が番組開始60周年(!)を迎え、7月半ばに1時間半近くの特番を放送、様々な方達からお祝いメッセージを頂いた。そして番組がスタートして半年ほど後、新宿の伊勢丹裏にあったジャズライブハウスが、その営業をスタートさせたのだった。言わずと知れた「新宿ピットイン」である。「新宿ピットイン」の佐藤良武会長からも、番組あてにお祝いメッセージが届き、そのお返しと言う訳でもないが昨年12月には、良武氏自身にも番組にゲスト出演してもらい、60年間を振り返り色々とお話を伺った。
そんなお互いにエールを送り合う同期のジャズ仲といった感じだけにこの60周年コンサートは是非...と思っていた処、お店から丁寧なご招待を受け、暮れの2日間新装なった新宿文化センターに向かうことにした。久しぶりの新宿文化センターだけに、何時もとは違う路で...等と、要らぬことを考えたのが大間違い、地下鉄を乗り間違えるは...、表に出るとその場所がわからず...等、ようやく開演時間ギリギリに会場に辿り着くという...、チャンジー(爺さん)ならではの不手際振りだったが、どうにか開演ギリギリで会場に到着出来た。
ところでこの60周年コンサート、これを最後に山下洋輔さんは、一時ライブ活動を停止すると言う、ショッキングなニュースも飛び込み、洋輔最後のプレー(?)を聴きたいというファンもやはり数多く、また総勢80名強のミュージシャン達の集結...、J-ジャズの総決算と言った側面もあり、それやこれやで2日間ともほぼ完売...という盛況振りだった。そんななかでも、かなりいい席を用意してもらい、また開演前には会長の佐藤良武さんとも、一寸談笑の時間も持て大満足で開演を迎える。
1日目はなんと芸大打楽器科卒業の若手にしてエースでもある、ドラマー石若駿のユニットで始まり全部で6ユニットが登場。その大トリをこれまた芸大打楽器の大先輩、森山威男のユニットで締める...と言った具合。全体にJ-ジャズのドラム~パーカッション奏者の系譜が、期せずして全体を通す一つの「柱」になっている感もあリ、その統一感など中々に興味深いものだし、それそれの演奏内容もまた素晴らしいものだった。山下さんは初日は、かつてのメンバー=菊地成孔(as)とのデュオで登場。日頃は生意気な...と言うよりも自信過多・頭でっかち的な一面も見える菊池だが、流石に師匠格の山下最後の日(?)だけにその演奏も実に真剣味溢れるもので、童謡の「大きな古時計」をアルバート・アイラーの「ゴースト」等も織り交ぜながら、朗々と吹き切る圧巻のステージ振り、満員の観客を大いに沸かせた。このデュオは、この60周年コンサートのハイライトとも言える演奏だったし、菊池成孔の今までの演奏の中でも、ベストの一つと言ってもいい素晴らしいもの。改めてその演奏家としての力量を再確認出来たし、そうした演奏を引き出した、洋輔さんの力も、流石と言えるものだった。この日はこのデュオ以外にも、大トリの森山威男、そしてスペシャルセッションのリーダー役として登場の坂田明など、かつての山下グループの面々も大活躍し、さながら山下洋輔が影の主役...と言った趣きもあった。
この60周年コンサートの初日で、もう一つ面白い...というか興味深かったのは、前述したドラマーの系譜だった。若手ドラマーの天才=石若駿の後には、フュージョンドラムスの売れっ子、渡嘉敷祐一が相変わらずの巧技を聴かせ、続くスペシャルセッションでは、中村達也・芳垣安洋・本田珠也と言う、日本前衛ドラマー3銃士が揃い踏みで大暴れ、ラストは森山威男の重量感溢れるドラミング展開...と、これらのドラマー達の活躍を見て・聴いているだけで大いに愉しめた。コンサートの終演は夜の10時近くだったが、大満足の一日でした。大分長くなったので、2日目の模様は次回にレポートします。またまたご期待のほど...
【今週の番組ゲスト:ドラマーの神保 彰さん】
デビュー45周年記念アルバム『34/45』から
M1「Mid Summer Shuffle feat.Toshiki Kadomatsu」
M2 「The Light」
M3「Your Smile」
M4「Soul Funkafied feat.Yoshiaki Muto」

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