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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.240~クワイエット・コーナー~】

 音楽の楽しみ方は人さまざまで、百人百様と言った感じがある。これは当然ジャズでも同じで様々な楽しみ方があるが、ジャズは長い歴史がある音楽だけに、その沿革・歴史などを知らないと...などと言う意見もあり、これがジャズは小難しい音楽と言った若い連中の敬遠を生み出しているとも言えそうである。ぼく自身は制作者としてジャズ番組を作ったり、ジャズライターとしてアルバムのレビュー(批評)を担当したりと、ジャズ関連の仕事を色々させてもらっているジャズ業界の一員なのだが、心根は生涯一ジャズファンである。このコラムでも再三書いているように、好きなのはラテンジャズ~サルサで、日頃買い求めるのもこの手のアルバム。しかし活気に満ちたこうした楽園系ジャズと同時に、自身の内面を注視するような静かなジャズ、ピアニストのポールブレイや注目のシンガー、グレッチェン・パーラトのような、内省的なジャズも同時に愛好している。こうした内向的ジャズを含む、心を静める様な音楽が最近クワイエット・コーナーとして注目を集めるようになっており、それが一冊のディスクガイド本として昨年暮れに登場した。この「クワイエット・コーナー」と称される音楽、数年前に番組打ち合わせの前に、目黒のレコード店「HMV」に立ち寄ったらフリーペーパーが置いてあり、そのタイトルが正にこの「クワイエット・コーナー」。クワイエットでセンシティブな音楽を...と書かれ、確かピアニストのエンリコ・ピエラヌンティや英国シンガーのレスリー・ダンカンのアルバムなど、ジャンルの違うアルバムが違和感なく選出されており、そのセンスの良さに惹かれ、読後一躍ファンになってしまった。そこでこの発行者をスタジオにと言う事で、編集担当の山本勇樹氏に番組に出演してもらったのだが、今回その集大成とも言えるガイド本が誕生、再びスタジオに来てもらったと言う次第。

 フリーペーパーの方ではこれまで延べ800枚近くを紹介したようだが、このガイド本「クワイエット・コーナー」では350枚。ジャズをコアにシンガーソングライター、フォーク、アンビエント、ワールドミュージック等々、山本氏のセンスで叙情と詩情に満ち溢れた素敵なアルバムが、様々なシチュエーションに合った音楽として選定されている。そのセンスの良さに感心させられると共に、仲々の愉しさにも溢れたお勧めの好本に仕上がっている。番組ではこの本の収録作をメインにした、コンピレーションアルバムなどから数曲を彼に紹介してもらい、「クワイエット・コーナー」の魅力について語ってもらった。ジャズは余りと...、いささか敬遠気味の若い女性達にも気に入ってもらえる番組になっていますから、是非聴いてみて下さい。
【今週の番組ゲスト:HMVジャズバイヤーの山本勇樹さん】
M1「MY BELLS/BILL EVANS」
M2「CHILDREN'S PLAYSON/HILDE HEFTE」
M3「THE MOON IS A HARSH MISTRES/RADKA TONEFF   STEVE  DOBROGOSZ」
M4「MOON RIVER/DIANA PANTON」
M5「DON'T EVER LEAVE ME/KEITH JARRETT  CHARLIE HADEN」



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