【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.812~台湾について~】
昨今の台湾有事に関しての高市首相発言を巡って、中国外交筋も色々と反発発言して、両国の経済関係や人々の往来など、日中は厳冬の時代とも言える程、大きな齟齬を来している。ぼくは台湾と関わってもう既に4半世紀近く。毎年実施している台灣特番も同じ期間続い来たが、今年は残念ながら特番実施は難しそうな状況...。ただ複雑なのは、台湾内部でも世論が2分化されていることだろう。現在の議会は国民党など親中国派の勢力が強く、予算案なども民進党政府提案のものは、かなりが否定されるなど混乱も続いている。その煽りの一端として特番も実現困難な状況に陥いっているようだ。野党の国民党は中国共産党との抗争に敗れ、台湾に逃れてきた蒋介石一派が興した政党で(台湾ではかなりひどい圧政を敷いた)、本来はこの両者相容れない敵同士にあるはずなのだが、長い年月を経るとどういう訳か双方の利害も一致、今はなにより中国友好で本土に擦り寄る政策を取っており、中国も彼らを応援するため、様々な援助施策を実施している。
ただ難しいのは、こうした親中国色の国民党の熱烈な支持者でも、その息子や娘などの次の若い世代になると、やはり台湾に関する意識が強いのは共通している処。各地で若い面々にインタビューしたり、共に飲食したりすると、そうした意識はは良く分かるが、なにせ家父長制の強い国民性。超大国中国に対する、こうした屈折した2分化意識が問題の難しさで、中国を刺激するのは避けたい...、しかしやはり台湾は台湾なのだ...と言う強い意識もある。そこら辺の意識のせめぎあいと日本としての見極め...、それがこの台湾問題の最大ポイントなのだとぼくは思う。
ぼく自身はもう2年ほど現地には行っていないが、そこに住む人達の不安感~有事に対する不安感が、以前にも増して強いものになっていることは想像に難くない。東京の片隅でこんなことを論じていても、ある意味詮無いのだが、多くの知り合い達が自由に自在に平和を謳歌しながら、生活し続けられること...、心から念願している。そしてぼく自身が、また再び台湾の様々な都市・地域を歩き続けられることも...。
...とここまで書いてきたのだが、少し前に我が友にして日本きってのジャズ・ベーシスト、チンさんこと鈴木良雄とそのバンド「ブレンド」の中国公演が、北京に着きながらも煽りを受け(?)突如中止が決定、全員帰国を余儀なくされたのだと言う。北京の市内で小規模なシンポジウムとライブは出来たそうだが、肝心のコンサートはNG。まあ何をか況やだが...、音楽活動などは所詮政治問題には叶わない訳だ。ただ両国の文化交流までもが...と考えると、なんとも情けないし悲しくもなるのだが、これが日中の現実の姿なのだろう...。
【今週の番組ゲスト:ジャズピアニスト MASUMI YAMAMOTOさん】
Masumi Yamamoto and TLQ plusの新譜「Crater On The Moon -REDISCOVERED Vol.1〜3」より
M1「Mashalla」(Vol.1)
M2「Conversation」(Vol.1)
M3「Ohm」(Vol.3)
M4「Perseverance」(Vol.2)






